男の和服着物のTPO 男の和服着物の基本

【男の和服着物スタイルの種類】素材と格とTPOまとめの解説!!

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男の和服着物,羽織,袷,メンズ

男の和服着物スタイルの種類をご紹介します。

結構この種類を把握されてない方が多いと思います。

和服初心者の場合、自分が今どの種類の服装をしてるのかわかりません。

服装はTPOに関係しますので

この機会に曖昧なイメージを明確にしていきましょう。

 

結論

・和服着物の種類はまず、生地の格と装いの格で決まる。

・生地は織りか染めかで、また装いは礼装、準礼装、略礼装、おしゃれ着、普段着かでカテゴライズされる。

文化
ご自身の立ち位置を把握しておきましょう

染めと織り

染物(そめもの)

白い生地を染めた物で、洋服でいうプリント物です。

羽二重(はぶたえ⇒非常に格が高い、つやつやした織物)、縮緬(ちりめん⇒独特のしぼ、凹凸がある織物)

織物(おりもの)

(白い生地になる前に)白糸を染めてから織り上げた物です。

男性の和服はほぼ、織りが主流です。

紬(つむぎ⇒手で引っ張って作った糸の織り物)、御召(おめし⇒織り物と染め物の中間の物)、木綿など

 

「和服」において、織り物(おりもの)より染め物(そめもの)の方が、フォーマル度が高いとされています。

「帯」においては逆で、染め物(そめもの)より織り物(おりもの)の方がフォーマル度が高いとされています。

素材

絹織物は、絹糸をいつ精錬(せいれん⇒絹の不純物を取り除く作業)するか、染めるかで風合いを変える事が出来ます。

 

精錬(せいれん⇒絹の不純物を取り除く作業)

(山嘉精錬様より引用:https://sankaseiren.com/archives/art/refinement

先練り(さきねり)・・白糸の状態で精錬(せいれん⇒絹の不純物を取り除く作業)

後練り(あとねり)・・生地の状態で精錬(せいれん⇒絹の不純物を取り除く作業)

 

染め

染色

(山嘉精錬様より引用:)

先染め・・白糸の状態で染め

後染め・・生地の状態で染め

羽二重(はぶたえ)

黒紋付き,羽二重

最も格の高い織物の一つです。

縦糸(たていと)緯糸(よこいと)ともに撚り(より⇒ねじった)のかかってない生糸(きいと⇒繭{まゆ}そのままの糸)を使った平織物(ひらおりもの⇒普通に織ったもの)です。

つやつやした光沢が特徴です。

黒紋付羽織袴に使われる生地です。

縮緬(ちりめん)

和服に使われる代表的な織物です。

生地表面に独特のしぼ(凹凸)があるのが特徴です。

しぼ(凹凸)によってしわがよりにくく、しなやかな風合いになり、凹凸の乱反射により深い色合いを醸し出せます。

しぼ(凹凸)の小さい物を一越縮緬(ひとこしちりめん)、大きい物を古代縮緬(こだいちりめん)と呼んだりします。

小紋(こもん⇒ジャンルの一つ、連続模様が染められた和服)などに使われる事が多いです。

御召(おめし)

男の和服着物、無地、

小紋(こもん⇒ジャンルの一つ、連続模様が染められた和服)と紬(つむぎ⇒手で引っ張って作った糸の織り物)の中間に位置する織物です。

御召縮緬(おめしちりめん)の略で、小さなしぼ(凹凸)があります。

糸の状態で精錬(せいれん⇒絹の不純物を取り除く作業)し、糸の状態で染めてから織った先練り(さきねり⇒糸の状態で不純物を取る)先染め(糸の状態で染める)の織物です。

名前の由来は、徳川十一代状軍家斉(いえなり)が好んでお召し(おめし)になった事からです。その後、この織物は御召(おめし)と呼ばれました。

盛夏(せいか7、8月)の和服です。

江戸時代に木綿が普及するまで、庶民が主に着ていた素材です。

基本、お出掛け着に使われます。

用いられるのは、洋素材の麻(リネン)と違い、苧麻{ちょま(からむし、ラミー)}です。

天然素材の中で、強度も高く丈夫です。

この麻織物のなかで、上等なものを上布(じょうふ)と呼びます。

夏は麻が一番涼しいです。

紬(つむぎ)

紬(つむぎ)とは、手で紡(つむ)いだ糸を使用した和服の総称です。

糸の種類、製法により風合いが違ってきます。

主に4つ

結城紬(ゆうきつむぎ)系

(つむぎの館様より引用:https://www.yukitumugi.co.jp/introduction/

繭(まゆ)をゆでて、広げ、袋状の真綿(まわた)にして紡い(つむ)だ紬。

 

牛首紬(うしくびつむぎ)系

手織りが希少になりつつある牛首紬 

(廣田紬 株式会社様より引用:)

玉繭{たままゆ⇒二匹の蚕(かいこ)が作った繭(まゆ)}から紡(つむいだ)いだ節(ふし)のある紬。

 

大島紬(おおしまつむぎ)系

繭(まゆ)から直接糸を引いた生糸(きいと)で織った紬。

正確には紬糸(つむぎいと)で無いですが、伝統的に紬と言います。

 

機械織り紬系

(つむぎとくらし様より引用:http://okirakutedukuri.blog66.fc2.com/blog-entry-478.html

くず繭(くずまゆ⇒余ったりし市場で引き取られないまゆ)を使った紬。

木綿

普段着の代表的素材です。

肌になじむ風合いと扱いやすさで人気で、日常着として使うならオススメです。

絹と比べ、しわになりやすいのでアイロンがけやお畳(たた)みで綺麗にします。

比較的地厚になりがちで、袷の時期(10月~5月)に着ると快適です。

夏には浴衣(ゆかた)があります。

高価ですが、絣(かすり)と呼ばれる藍地の木綿も各地にあります。

1.礼装

黒紋付き羽織袴(くろもんつきはおりはかま)、色紋付き羽織袴

最も格の高い服装です。洋服で言うとモーニング、燕尾服(えんびふく)、タキシードです。

 

・羽二重(はぶたえ)を黒ないし、色染めた生地で、羽織、長着(ながぎ→着物の事)それぞれに染め抜き日向紋(そめぬきひなたもん→紋部分だけ白く染め抜かれている手法)を5つ入れる。

袴は仙台平(せんだいひら⇒袴地の名前)の縞で、羽織紐、半衿(はんえり⇒和服の下に着る服の衿に付ける汚れ防止衿)、足袋(たび⇒靴下のようなもの)全て白です。

小物に白の扇子(せんす)を持ちます。

式典、結婚式等

2.準礼装

(花嫁のれん様より引用:http://hanayomenoren.net/celebrate/dress3.htm

色紋付き羽織袴(仙台平以外の袴地)

次に格の高い服装です。洋服で言うとディレクタースーツ、ブラックスーツです。

 

・礼装とほぼ同じですが、袴のみ仙台平(せんだいひら)以外の袴地を使っています。

小物も同じく白で統一しています。

白の扇子を持ちます。

式典、結婚式、お茶席、パーティー等

3.略礼装

(花嫁のれん様より引用:http://hanayomenoren.net/celebrate/dress3.htm

長着(ながぎ→着物の事)と羽織袴

気楽な礼装です。洋服でいうとダークスーツ(濃紺、チャコールグレー)です。

 

・お対(おつい→羽織と着物が共生地)の羽織と長着(ながぎ→着物)に袴で、素材は御召(おめし)、紬(つむぎ)、木綿何でもよいです。

袴は仙台平(せんだいひら)以外です。

小物で色を使います。

結婚式、パーティー、発表会等

4.お洒落着

( 男着物.com様より引用:https://www.kimonosugata.info/omesi.html

長着(ながぎ→着物)と羽織

応用範囲が広い街着、遊び着です。洋服で言うとスーツ、ジャケットパンツスタイルです。

 

・お対(おつい⇒羽織と長着が同じ生地で作られている)か、異なる素材で作られます。

袴をつけない。

小物も色は自由に選べます。

食事会、お出掛け、クラス会、観劇、バー等

5.普段着

(円居着物レンタル 様より引用:https://rental.madoi.co.jp/item/4200/

着流し(きながし⇒羽織も袴も付けないスタイル)

浴衣

街歩き、室内着です。洋服で言うとシャツパンツスタイルです。

 

・素材もバラバラで自由です。

長着(ながぎ→着物)を帯で巻いただけのシンプルスタイルです。

紬、木綿等カジュアル度の高い見た目です。

小物も自由に選びます。

日常生活、お出掛け等

結論

・和服着物の種類はまず、生地の格と装いの格で決まる。

・生地は織りか染めかで、また装いは礼装、準礼装、略礼装、おしゃれ着、普段着かでカテゴライズされる。

以上、男の和服着物のスタイルの種類でした。

和服着物モッズの皆さんはぜひ、この基本を押さえて下さい。

どの国のメンズファッションも、基本体系がしっかり入っていないと応用が利きません。

今後お洒落をするにあたり、意図的にこの格を利用しますので、楽しみにしていて下さい。

文化
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