和服着物の初心者の方は「着たい」から、実際に外で「着る」までの道のりが長いです。
第一のハードルは「和服着物を手に入れる事」ですが、
第二のハードルは「和服着物を着て外に出る事」です。
この二つのハードルを越える最良の選択が、「着物着付け会に参加する事」です。
今回は和服着物の初心者さんに、実際の着付け練習をして頂きました。
ご本人の感想付きなので、イメージしやすいと思います。
それでは見ていきましょう。
アンティーク着物はじめました。
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アンティーク着物はじめました。
目次

1、 サンプル
名前:ひさしさん
性別:男性
年齢:40代
身長:180㎝前後
着物歴:無し(周りに着物好きな女性あり)
時間:2時間半
和服着物の有無:無し
ご本人は和文化に興味をお持ちで、最近着てみたいと思っていたとの事。
ただ、和服着物はお持ちではなかったので、こちらがお対(おつい⇒羽織と着物が同じ生地で作った物)の紬(つむぎ⇒手で紡いだ絹糸を使用した生地。カジュアル地)をご用意しました。
2、着付けの進め方
ヒアリング
・まずはご挨拶をしてから、着付けをするにあたっての情報収集です。
ご本人の和服経験、知識を確認し、ご希望から今回の目的を明確にします。
今回は、普段のお出掛けなどで気軽に着たいとの事でしたので、
袴(はかま⇒着物版のズボンのような物)や羽織(はおり⇒着物版ジャケットのような物)は無しにして、
基本の「着流し(きながし⇒羽織を着ない姿。カジュアル風)スタイル」を知る事が目標になりました。
⇓
基本講習(座学)
・男の和服着物の本を見て頂き、大まかなTPOを説明します。
これにより、今から着る着物スタイルの立ち位置を把握して頂きます。
関連記事>>【男の和服着物の種類と格の見分け方】図解で解説!6つのシーン
また、必要なアイテム(小物、下着)も確認します。⇓
実習(帯結び前まで)
・実際に用意した着物を着ていきます。
褌(ふんどし⇒男性用の着物下着)の使い方から順番に
補正(ほせい⇒着物を着る際に邪魔になる腰の凹凸を平らにするグッズ。またはお腹のボリュームを上げる物。)
足袋(たび⇒和服用の靴下)
長襦袢(ながしゅばん⇒長着の下に着る着物)
長着(ながぎ⇒着物の事)
まで一緒になってやります。
関連記事>>【男の和服着物の着方】6つの着付けから3つの裏技までを大公開!!
⇓
実習(帯結び2種類)
・男性の角帯を用意しましたので、よく使う2つの結びを練習しました。
貝の口
非常によく使う結びで、最初に習う事が多い基本の結びです。
貝の形で手先がたれ先より少し長めになると決まりやすいです。
結び目を背縫い(せぬい⇒背中の真っすぐの縫い目)から左右少しずらすのがポイントです。
片ばさみ
実用度で一番おすすめの結びです。
男性の代表的な帯結びで唯一、椅子にもたれても崩れない(結び目に凹凸が無いから)形です。
手先とたれ先がハの字になりますが、それぞれ長くなりすぎないようにします。
こちらは貝の口と違い、背縫いから左右ずらす必要はありません。
関連記事>>【男の和服着物の帯結び】最大の難所を乗り越えるポイント解説!
⇓
ポイントとコツ
一通り着付け実習が終わりましたら、
着姿の4ポイントを確認します。
衿元
・半衿{はんえり⇒長襦袢(ながじゅばん⇒長着の下に着る着物)の衿}が人差し指分出ているか。
裾
・短すぎないか。裾細りになっているか。
帯位置(帯周り)
・帯位置が高すぎない、低すぎないか。帯周りにしわが寄っていないか。
帯結び
・形が決まっているか。緩んでいないか。
⇓
しぐさと動き対策(トイレの仕方を含む)
・お出掛けをメインに考えてらっしゃるので、
洋服とは違った和服着物ならではの動き、しぐさをお伝えしました。
また、必ず困るトイレの仕方も実演し、最後に着崩れの直し方をやりました。
関連記事>>【男の和服着物の生活で気を付けるポイント】トイレはどうする?
⇓
たたみ方
・一度しっかり覚えておかないと「着なくなる要因」になります。
本畳みと呼ばれる正式なたたみ方を一緒にやりました。
これで浴衣を着た際にも困らないと思います。
関連記事>>【男の和服着物の簡単な畳み方】時間ない方必見!プロ御用達の2種類
⇓
今後のアドバイス(浴衣選び)
・ご本人がまずは浴衣から始めるとの事でしたので、
浴衣の選び方
サイズ
必要な小物
金額相場
おすすめ購入時期
をお伝えしました。
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3、 感想
ひさしさん
「20代の頃は全く興味がなかったですが、最近になり和の文化に惹かれています。
今回、和服着物を着ようと思ったのもその影響だと思います。
周りには女性で着物を着る子もいますし、着てみたいとは思っていましたが
なかなかタイミングも無く、今回の着付け会をきっかけにしたいと思い参加しました。
他の着付け会は、呉服屋さんがやっている事もあり、売りつけられそうで不安でしたし
男性で参加する人は珍しい印象です。
カジュアルなお出掛けが目的なので、(着付け会が)内容的に沢山あり少し大変でしたが
自分の着姿が見れて楽しかったです。実際に着ると動きの制限などがわかったので
まずは『浴衣でお出掛け』から初めてみます。」
(要約しております)
4、まとめ
・着付け会が(購入とお出掛けの)きっかけになった。
・今まで着物を着るタイミングがなかった。
・現在、着物を持ってなくても着られる。
・着付け教室は主に女性を対象にしている。
・一通り覚えられる。
・自分の着姿を見られる。
・動きにくさや、洋服との違いを実感できる。
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以上 和服着物の着付け会でした。
初めの一歩を踏み出した方の意見です。
ぜひ参考にしてください。
参加されると「和服を着るきっかけ」だけでなく
「経験値」が格段にアップしますよ。

文化bunka【男の裏着物の研究家】