(和福屋様より引用:https://www.0298.jp/tips/detail.php?id=502)
日常生活で男の和服着物を着ていると、少々のトラブルは自分でなんとかしなければなりません。
それは和裁士(わさいし→着物の仕立て師)さんの様に「プロ並み」という大げさな事では無く、その場の「応急処置程度」の事で大丈夫です。
今回は、簡単な応急処置を(出来そうな所から)やってみましょう。
私(狐面)と一緒に見ていきます。
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アンティーク着物はじめました。
ライン@のアカウント変更しました!(2021年2月13日)
要点だけであれば3.ポイントをご覧下さい
目次
※もし保管していた物が汚れてどうにもならなくなったら、近所のお手入れ屋さん
1、種類(トラブル)
素材が絹の場合、
以下の8つのトラブルが知られています。
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半衿(はんえり)の急な変更
半衿(はんえり)とは、長襦袢(ながじゅばん→着物の下に着る着物)の衿に付ける布です。
お洒落のポイントなので、気分で変えたい方も多くみえます。
衿元なので汚れが付きやすく、着ようとしていた物が汚れていると言う場合もあります。
衿汚れ(えりよごれ)
(てるよ女将の着物教室様より引用:https://yamazen-teruyo-okami.com/?p=1927)
着物の共衿(ともえり→着物の上掛け衿)、もしくは半衿(はんえり→長襦袢(ながじゅばん→着物の下に着る着物)の衿に付ける布)に付く皮脂汚れです。
放っておくとシミになって見苦しいです。
汚れたら付け替えしたい所です。
袖付けほつれ(そでつけ→そでの付け根。主に脇下)
袖付けの特に、脇下にある人形(にんぎょう→下図Dの事)と呼ばれる部分がほつれ易いです。
シワが出来る
よくあるシワは以下の物です。
・お尻の座りジワ
・畳み忘れ・畳み間違いのシワ
・長期間仕舞ってあったシワ
アイロンでしつこいシワを撃退します。
足袋(たび→和装靴下)の汚れ
汚れの付き易い足袋(たび→和装靴下)の裏側と、草履・鼻緒(はなお→草履の紐)の擦れ汚れが出る足袋(たび→和装靴下)の表側です。
和装アイテムの中でも、汚れやすい物です。
食事汚れ
(宅配クリーニングプレミアム様より引用:https://cleaning-premium.com/shimi-nuki/kimono-shimi-nuki/)
気づかぬうちに料理が袖についたり、太腿(ふともも)に落ちたりします。
他に飲み物などもつけてしまします。
急な雨濡れ
外出時、急な雨で濡れてしまったりします。
雨以外でも水をこぼされたりもします。
袖口のほつれ
(やのまやブログ様より引用:https://yanomaya.hatenablog.com/entry/demerit)
袖口はドアノブなどでひっかけやすいです。
割と多いトラブルで、酷いと生地まで裂けてしまいます。
糸が切れた状態なら、裁縫で修復します。
2、対応・応急処置
8つの対応
↓↓↓
半衿付け替え(はんえりつけかえ)
応急処置
半衿(はんえり→衿に付ける布。アクセントになる)を取り外し、新しいものに付け替えます。
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用意
裁縫道具(針、ハサミ、まち針、ものさし) アイロン 糸(色は白でいい)
手順
古い半衿の糸を切る
↓
古い半衿を取り外す
↓
新しい半衿の1cmに折り目作る
↓
長襦袢(ながじゅばん→着物の下に着る着物)の衿が手前になるよう置く
↓
衿の外側に、新しい半衿を当てる
↓
まち針を刺していく(最初に背縫い部分、次に左側の衿肩あきまで、その後衿肩あきに余裕をもたせ、最後まで。右側も同じ)
↓
針に糸通す
↓
糸の先端に玉止め(たまどめ)をする
↓
半衿の先端から先端までを、大きくザクザク縫いとめる(7~8cm位)
↓
反対側(衿の内側)も同じく、半衿を折り曲げまち針で止め、ザクザク縫いとめる
縫い方一覧
糸止め
しごき
※工事中
事前対応
基本の裁縫手段だけあらかじめ覚えておく
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縫い
しごき
玉止め(たまどめ)
※工事中
衿汚れ落とし
応急処置
衿汚れは基本、油性の汚れなので、ベンジン(→揮発性の液体)かリグロイン→(同じく揮発性の液体)を使い汚れを他に移します。(不安な場合はプロに任せましょう)
用意
タオル(汚れを移す用)
深さのある器(ベンジンなどを注ぎ入れられる大きさ)
タオル(ベンジンなどを付けて汚れを落とす用)
換気の効いた場所(薬剤の蒸発が早く、できる限り肺に吸い込みすぎないように)
手順
衿汚れの場合
タオル(汚れを移す用)を下に敷く
↓
着物の衿汚れ部分をタオルの上に置く
↓
器にベンジン・リグロイン(揮発剤)をたっぷり注ぐ
↓
タオル(ベンジンなどを付けて汚れを落とす用)を揮発剤にしっかり付ける(ダボダボになるくらい)
↓
衿汚れの場所を拭く(この時、下のタオルに染み抜くほどたっぷり揮発剤をつける)
↓
衿の汚れを下のタオルに移す為に軽く叩く{揮発剤が少なすぎるとスレ(生地が痛む)の原因になります}
↓
汚れが見えなくなったらパタパタして薬剤を揮発させる
↓
結構、薬剤の匂いが残るので一日風通しの良いところで干す
※最悪、汚れ落としに失敗してもプロのお手入れ屋さんに頼んで落としてもらえます。
半衿(はんえり)汚れの場合
ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、半衿を入れる
↓
押し洗いをする
↓
洗ったら清潔なタオルにつつみ水分をとる
↓
シワにならないように軽くアイロンをかける(手拭いなどを上に掛けてアイロン)
↓
日陰で干す
事前対応
着用直後に衿元を確認する(古い汚れは取りにくい)
関連記事 >>【男の和服着物の収納お手入れ大百科】脱いだらやる事、困ったらやる事
袖付けほつれ直し(そでつけ→そでの付け根。主に脇下)
(チャキチャキおばさんのブログ様より引用:https://ameblo.jp/chokochan2047/entry-12762251784.html)
応急処置
人形(にんぎょう→袖付けの脇部分)を縫い直します。
プロの和裁士さんのように正しく縫わなくても良く、穴を塞ぐイメージ。
用意
裁縫道具(針、ハサミ、まち針、ものさし)、アイロン、糸(色は生地に合わせる)
手順
脇のほつれを確認する(穴が大きい場合はまち針で固定する)
↓
針に糸通す
↓
糸の先端に玉止め(たまどめ)をする
↓
一刺し目は玉止め(たまどめ)部分が見えないように刺す
↓
4つのパーツ(前袖・後ろ袖・前身頃・後見頃)に分かれているのでズレないように気をつける
↓
縫い止めていく
↓
最後玉止め(たまどめ)を再び外から見えない位置にする
事前対応
袖付け保護のため、袖を余り引っ張りすぎない
アンティーク着物はじめました。
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アンティーク着物はじめました。
シワ伸ばし
応急処置
高温のアイロンでシワを伸ばしていく
用意
アイロン
アイロン台
あて布(ぬの)
手順
アイロンを高温にする(素材にもよる)
↓
アイロン台に着物を置く
↓
シワ部分にあて布をしてゆっくりアイロンをあてる(この時、ゴシゴシアイロンを滑らせるとテカリや生地の伸びに繋がります)
↓
シワが取れているか確認する
※注意
スチームアイロンについて
色んな意見がありますが、スチームは上手く使わないと水垂れが発生します。
それがかえって水シミの原因になるので、基本私は使ってません。
事前対応
正しい畳み方を確認する
きもの枕(きものまくら→折りジワ防止の為、畳んだ隙間に入れる筒状の物)を使用する
関連記事 >>【男の和服着物の簡単な畳み方】時間ない方必見!プロ御用達の2種類
足袋(たび→和装靴下)の汚れ落とし
応急処置
汚れが強い時に足袋(たび)の部分洗いをする
用意
シューズブラシ(捨てる前の歯ブラシ)・足袋専用の石鹸セット(アマゾンなどで販売)・洗面器(バケツ?)
手順
洗面器にぬるま湯を入れる
↓
足袋をぬるま湯に浸けておく
↓
専用の石鹸を足袋(たび)の汚れ部分にこすり付ける
↓
ブラシを使いゴシゴシ洗う(足袋の内側に手を入れて)
↓
特に足袋の裏とつま先を洗う
↓
よくすすぐ
↓
そのまま洗濯機に入れる
↓
乾かす時、足袋を引っ張ってシワを取り除き、コハゼ(止め金具)付近を洗濯バサミではさむ
※注意
紺足袋の表側はゴシゴシすると色落ちします
事前対応
足袋の裏汚れはこまめに洗う
(食事の)即興の汚れ落とし
応急処置
固形物を取り除く(食事中の応急処置)
用意
手拭い(ハンカチ)・ティッシュ
手順
汚れを見つける
↓
固形物をティッシュで取り除く
↓
手拭い(水分がある時はティッシュも)で押さえる
↓
帰宅したら揮発剤を使うか(衿汚れ落としと同じ)、プロのお手入れに出す
関連記事 >>【男の和服着物のプロ悉皆】意外と知られていない6つのポイントは?
※注意
おしぼりや水をつけた手拭いで叩くと、生地がスレにより元に戻らなくなります。
押さえるだけで終えます。
事前対応
食事の時は手拭いなどを膝の上(太もも)にのせておく
雨濡れの対処
応急処置
雨の濡れた部分をすぐに乾かす
用意
清潔なタオル、着物ハンガー、
手順
着た状態で濡れた部分をタオルで軽く水分をとる
↓
次々と新しいタオルで水分をとっていく
↓
ある程度したら着物を脱いで着物ハンガーにかける
↓
さらに濡れている所の水分を取っていく
↓
水分を取り終わったら、できるだけ早くプロのお手入れ屋さんにもっていく
(その日が無理なら陰干しをして湿気を飛ばし、翌日持っていく)
事前対応
ガード加工(汚れ防止加工)をしておく
雨ゴート・折りたたみ傘を準備する
袖口のほつれ直し
応急処置
袖口の糸ひきを直す
用意
裁縫道具(針、ハサミ、まち針、ものさし)、アイロン、糸(色は生地に合わせる)
手順
袖口の糸ひき状態をかくにんする
↓
針に糸通す
↓
糸の先端に玉止め(たまどめ)をする
↓
一刺し目は玉止め(たまどめ)部分が見えないように刺す
↓
正しい袖口の位置まで縫い止めていく
↓
最後玉止め(たまどめ)を再び外から見えない位置にする
事前対応
ドアの付近では袖を守る
※もし保管していた物がどうにもならなくなったら、近所のお手入れ屋さん
アンティーク着物はじめました。
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アンティーク着物はじめました。
3、ポイント
・急なトラブルは8つ(半衿、衿汚れ、ほつれ、シワ、足袋の汚れ、雨濡れ等)ほどあります
・プロに頼まなくても自分自身で応急処置ができます
・それぞれ裁縫とアイロン、洗いなどで対応します
・困った時は悉皆屋(しっかい→着物お手入れ屋さん)に相談します
以上、男の和服着物の応急処置でした。
男の和服着物を着ていく中でご自身で対処出来る事が増えると、和装生活は不便なく過ごせます。
専門的な処置はプロに任せるとして、手軽な裁縫とお手入れが出来れば周りの方のお手伝いも出来ますしね。
ライン@のアカウント変更しました!(2021年2月13日)
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