男の和服着物の部分名称について、洋服では使われない独特な言葉が出てきます。
和服着物モッズ初心者の皆さんが和服着物の研究をする際、この「用語」につまずいて困っています。
浴衣でも同じで、今後この部分名称を使っていろいろ説明しますのでここで押さえておきましょう。
基本的な着物が揃うと裏着物(うらきもの→家着物)挑戦も楽しいです。
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結論
・着物、羽織(はおり)、長襦袢(ながじゅばん)、袴(はかま)、帯、履き物、足袋(たび→和装靴下)それぞれに聞きなれない部分名称がある
・図表があるので、分からない時にその都度見て確認すると良い
長着(ながぎ⇒着物の事)
※↓↓↓抱き幅の位置が少し下にずれています。
1.身丈(みたけ)・・仕立てる縦の長さの事。
2.着丈(きたけ)・・着る時の長さの事。※女性和服の場合、身丈と着丈は大きく違いますが、男性和服の場合、身丈と着丈の差はほぼ同じです。(着物を着ると帯結びで少しのたるみが出る為、実際は身丈≒着丈)
3.前身頃(まえみごろ)・・和服の前部分の布の事。
4.後身頃(うしろみごろ)・・後部分の布の事。
5.肩幅(かたはば)・・背縫い(せぬい⇒背中の縫い目)から、袖が付いている所までの長さ。
6.袖幅(そではば)・・袖口から、袖が付いている所までの長さ。
7.肩山(かたやま)・・和服を畳んだ時に折り目がつく肩部分。
8.袖山(そでやま)・・和服を畳んだ時に折り目が付く袖部分。
9.人形(にんぎょう)・・袖の下部。袖付けで縫われてない部分。
10.衽(おくみ)・・前身頃に縫い付けられた部分。
11.衽線(おくみせん)・・身頃に衽(おくみ)が縫い付けられた縫い目の事
12.共衿(ともえり)・・和服の衿に縫い付けられた、掛け衿の事。
13.褄下(つました)・・衿先から裾までの長さの事。
14.内揚げ(うちあげ)・・腰辺りに縫い込まれた部分。身丈(みたけ)の長さを後からでも出せるようにしている。前の揚げを前揚げ、後ろの揚げを後揚げという。後ろ揚げは前揚げの1寸(約3.8cm上)。
15.抱き幅(だきはば)・・袖付け止まりから衽(おくみ)の縫い目までの長さの事。ちょうど胸のラインの高さ。
16.揚げ下がり(あげさがり)・・肩山から内揚げ(うちあげ)までの長さの事。前の揚げを前揚げ、後ろの揚げを後揚げという。後ろ揚げは前揚げの1寸(約3.8cm上)。
17.剣先(けんさき)・・衿と衽線(おくみせん)が交わる所。
18.褄先(つまさき)・・褄下(つました)と裾の出会う角の事。
19.合褄幅(あいづまはば)・・衿先の高さでの衽(おくみ)幅の事。※裾での衽幅(おくみはば)と長さが違う事がある。
20.脇線(わきせん)・・横の縫い線。前身頃と後身頃の縫い線の事。
羽織(はおり)
1.襠(まち)・・前身頃と後身頃の間に付ける布部分の事。脇部分にある布。
2.前下がり(まえさがり)・・前身頃の裾が少し下がり気味に仕立てられている部分の事。または、後身頃より前に下がって見える寸法の事。
3.乳(ち)・・羽織紐を通す為の輪っかの事。衿に付いており、ちょうど胸の位置にある。
4.羽織丈(はおりたけ)・・羽織の縦の長さの事。
5.羽裏(はうら)・・袷(あわせ)の羽織の裏地。ちょうど、背中の上部までの長さ。
6.乳下がり(ちさがり)・・肩山から、乳(ち⇒羽織紐をつける輪っか)までの長さ。
7.返し(かえし)・・後身頃を切り落とさず、裾から内側に折り込んだ部分。
袴(はかま)
1.後ろ腰幅(うしろこしはば)・・袴(はかま)の後ろ腰部分。幅。
2.投げ(なげ)・・袴(はかま)の脇の縫い合わさってない部分。
3.相引き(あいびき)・・袴(はかま)の脇の縫い合わさっている部分。
4.ひだ寄せ(ひだよせ)・・袴(はかま)の前部中央に寄せてとるひだの事。
5.前わき幅(まえわきはば)・・一のひだ(前身頃にある3つのひだの一つ、一番外側)の裾幅。
6.前丈(まえたけ)・・紐から三のひだ(前身頃にあるひだの一つ、一番内側)裾までの長さ。
7.笹ひだ(ささひだ)・・袴の脇の縫い合わさってない部分の前身頃側。
8.一のひだ(いちのひだ)・・前身頃にある3つあるひだの内の一つ。一番外側の2つ。
9.二のひだ(にのひだ)・・前身頃にある3つあるひだの内の一つ。真ん中の2つ。
10.三のひだ(さんのひだ)・・前身頃にある3つあるひだの内の一つ。一番内側で1つのみ。
11.前紐(まえひも)・・前布に縫い付けてある紐の事。
12.後ろ紐(うしろひも)・・後ろにある腰板(こしいた)に縫い付けてある紐の事。前紐より短い。
長襦袢(ながじゅばん⇒長着の下に着る下着の事)
1.無双(むそう)・・袖の部分だけ袷(あわせ⇒裏地がある)仕立てになってる仕様。
2.襦袢丈(じゅばんたけ)・・長襦袢(ながじゅばん)の長さの事。
帯
垂れ先(たれさき)・・帯の両端の内、幅広に使う側。
手先(てさき)・・帯の両端の内、半分の幅に折った側。
足袋(たび⇒和装靴下のようなもの)
1.底(そこ)・・足袋の底部分。
2.内甲表(うちこうおもて)・・親指を入れる部分。
3.外甲表(そとこうおもて)・・親指以外の4本指を入れる部分。
4.こはぜ・・かかと部分にある留め金。
5.尻(しり)・・かかとの底部分。押え部分。
6.掛け糸(かけいと)・・コハゼを引っ掛けて止める糸部分。
7.鎌(かま)・・外甲と内甲の合わさる部分。
8.外甲裏(そとこううら)・・4本指入れる部分の裏地。
雪駄(せった⇒男性用草履)
1.鼻緒(はなお)・・足をホールドする紐の事。
2.前緒(まえお)・・鼻緒(はなお)の前部分。
3.横緒(よこお)・・鼻緒(はなお)の足甲をホールドする部分。
4.前坪(まえつぼ)・・前緒(まえお)と横緒(よこお)が交わる部分。
5.表(おもて)・・足を乗せる表台の事。
6.後穴(あとあな)・・鼻緒(はなお)両端が入る穴の事。
7.皮底(かわそこ)・・履物の底部分。
8.ベタガネ・・上級者向け。かかとに付ける金属板の事。チャラチャラ音が鳴る。
結論
・着物、羽織(はおり)、長襦袢(ながじゅばん)、袴(はかま)、帯、履き物、足袋(たび→和装靴下)それぞれに聞きなれない部分名称がある
・図表があるので、分からない時にその都度見て確認すると良い
以上、和服着物の部分名称でした。
覚えにくい言葉もあったかと思いますが、何度も口に出していると自然に身に付きます。
これらは、今後寸法の際に使いますので大切です。がっちり押えておきましょう。
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