基本的な着方は必須であり、一番のハードルでもあります。
最難関の帯結びは、また別の記事でご紹介しますので
今回は帯結び手前である
6つの着方
{ふんどし、肌襦袢(はだじゅばん→着物の下着)、
足袋(たび→着物の靴下)、ステテコ(着物のズボン型下着)、
長襦袢(ながじゅばん→長着の下に着る着物)、長着(ながぎ→着物の事)}
と
3つの裏技
{衿止め(えりどめ→衿を開かない様にする金具)、
コーリン腰ひも、腰パット}
までをお伝えします。
では、一緒に見ていきましょう
結論
・男の和服着物の着付けは女性と比べ驚くほど簡単。2、3回練習すれば余裕です
・ここで紹介する裏技は便利です。特に衿止め(えりどめ)は呉服屋さんでも中々教えてくれないです。
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目次
1、基本知識
•男物の着方はとても簡単です。
着付けが難しいと言われるのは、女性物だけです。
•ポイントはズバリ背中線(せちゅうせん→背中の縫い目)です。
•衿元のズレと、裾線がズレがない状態を目指します。
•イメージは身体を包んで、ラッピングするだけです。
男性の和服着物は対丈(身長に対してピッタリの寸法)なので、
羽織って身体前で打合せて腰紐で固定という流れです。
ワンピース型なので上半身は少しだけゆとりを入れ、
肩周りが動きやすくしましょう。
「Yシルエットで、下半身はタイトに上半身はゆったりと」です。
•この時、和服着物が着る方の寸法に合っていないと
巻きつけ過ぎたり、幅が足りなかったりします。
(古着を使用する場合は考慮しておきましょう)
2、着付け
肌着
褌(ふんどし)
※↑早見表は見苦しくないようにTシャツとスパッツを着装した状態です。(本来は素肌です。)
大きく分けると越中(えっちゅう)ふんどしと、六尺(ろくしゃく)ふんどしがあります。
↑越中(えっちゅう)ふんどし。着用が簡単でメジャーな存在。
↑六尺(ろくしゃく)ふんどし。長方形の布のみで股間をカバーする。古典的なふんどし。
ここでは、簡易的な越中(えっちゅう)ふんどしを解説していきます。
・布を腰後ろにして、左右の紐を腰前で結びます。(本来は素肌に着用します)
⇩
・股を通して後ろの布を腰前に持ってきて、紐に内側手前から外前に向け乗せます。
⇩
・形を整えて完成です
肌襦袢(はだじゅばん→和装の上半身下着)
・羽織ります
※肌襦袢(はだじゅばん)は紐がついていない物が一般的です。通常は肌襦袢(はだじゅばん)を打ち合わせてこしひもで留めます。
⇩
・左右前(右衿先を持って左腰に持って行きます。続いて左衿先も同様に。)を打ち合わせます
⇩
・この時、紐付きの肌襦袢(はだじゅばん→和装の上半身下着)の場合、左右の衿先をそれぞれ紐で結んで固定します。
⇩
・完成です
ステテコ・裾よけ(すそよけ→和装の下半身下着)
下半身用の下着は2つあります。
ステテコ(ズボン型)
と
裾よけ(スカート型)
ここでは、ステテコの解説をしていきます。
ただ、穿くだけ
⇩
完成です。
足袋(たび→和装靴下)
・足袋(たび→和装靴下)を半分ぐらい外側に折り返します
⇩
・左片ひざをついて、足袋(たび→和装靴下)を右足に近づけます
⇩
・爪先を足袋(たび→和装靴下)に入れる際、まっすぐではなく、気持ち(足袋を足の内側に)傾けた状態で差し込みます
⇩
・するする足を入れながら、足袋(たび→和装靴下)の傾きをまっすぐの状態に戻していきます
⇩
・完全に足袋(たび→和装靴下)が爪先まで入ったら、折り返した部分を戻します
⇩
・かかとまで全て足袋(たび→和装靴下)で包みます
⇩
・続いてコハゼ(留め金)ですが、踵を立てて下から留めていきます。(掛け糸が2本ありますが、外側から2本ともコハゼで留めていきます。)
⇩
・上まで留めて、同じく左足も履いていきます
長襦袢(ながじゅばん→着物の下に着る着物)
・両手でそれぞれ袖を持ち、左右に引っ張る。{身体に長襦袢(ながじゅばん)をなじませる}
⇩
・背中線(せちゅうせん→背中の縫い目)を合わせる(衿先を持って)
⇩
・衿先を左右持って、右前(下前)を先に身体に合わせる(気持ち引き上げる)
⇩
・左前を次に身体に合わせる(この時、衿が首後ろに密着するように)
⇩
・右手で押さえておき、左手に腰ひもを持ちます
⇩
・左手の腰ひもの真中位置を右手で押さえている場所に当て、腰ひもを巻いていく
⇩
・一周したら、右腰位置で二回からげ、左右の腰紐を左右反対方向に引っ張る
⇩
・余っている腰ひも部分を再びからげておしまい
⇩
・背縫い(せぬい→背中の縫い目)を少し引いておくと上半身にゆとりが出来、座っても着崩れしません
長着(ながぎ→着物の事)
基本、長襦袢(ながじゅばん→着物の下に着るモノ)と同じです
{前を合わせた時、最後下前(最初に前合わせする部分)
上前(最後に前合わせする部分)を少し上に持ち上げておくと裾細りになってカッコ良いです。}
3、ポイント
•着姿で重要なのは、衿元と裾です。
•衿元は半衿{はんえり⇒長襦袢(ながじゅばん)に付ける替え衿}が
人差し指の幅位見えると美しいです。
•裾は左上前を重ねる時、少し上に持ち上げると裾細りになり格好いいです。
•必ず背中線(せちゅうせん→背中の縫い目)が真中にあるか確認しましょう。
•腰ひも(こしひも)の位置が腰骨の位置に正しくあるか確認します。
洋服に慣れていると、ウエスト位置に腰ひもを持ってきがちです。
逆に、腰穿きに慣れていると腰ひもの位置が下がり過ぎてしまいます。
•腰ひも周辺のシワをしっかり伸ばします。
•女性のように首の後を空けず{空ける事を繰越(くりこし)といいます}に着ます。
裏技
着姿が綺麗になる裏技グッズをご紹介します。
衿止め(えりどめ)
主に長襦袢(ながじゅばん→長着の下に着る着物)の衿崩れ防止のアイテムです。
S字の金具で、上前の衿(裏側縫い目)と下前の衿(裏側縫い目)に差し込んで使います。
表からは見えないので、非常に便利です。
※注意
衿の縫い目が細かすぎる場合(ミシン縫い等)金具を入れられないので、1か所糸を切り金具が入る隙間を作りましょう。
そのままでは糸が解れてくるので、糸をコマむすびし、大きな隙間ができてしまった時は縫い直しましょう。
コーリンこし紐(メンズ物)
ゴムで伸び縮みする腰ひもです。
主に着物を固定する際、腰ひも(こしひも)の代わりに使うと動いても緩まず大変便利です。
※この際、クリップが外れやすいので、強めに挟むタイプか、衿を折り曲げて厚みを出すのがオススメです。
男性用で強烈にクリップが強い物が存在します。
3つの先端があり、一つ目のクリップで左衿先(右腰辺り)をとめ、
クリップから枝分かれした2つの先端部分を
左右胴に巻き付け、交差する左腰辺りでフックしてとめます。
腰パット
簡易的な補正(ほせい→身体の凹凸を軽減しフラットにする)をしてくれる優れ物です。
例として、私も愛用している某メーカーさんの物でご説明します。
マジックで着脱可能な腰巻で、腰回りの凹凸を消してくれます。
故に、帯周りが安定し、着姿が決まりやすくなります。
※お腹が出るように見えるので、気にする方はなしでもオーケーです。
使い方は肌着姿の時に腰に巻くだけです。
この時、お腹ではなく腰回りに巻くようにします。
その後は普段通り着付けをしていきます。
結論
・男の和服着物の着付けは女性と比べ驚くほど簡単。2、3回練習すれば余裕です
・ここで紹介する裏技は便利です。特に衿止め(えりどめ)は呉服屋さんでも中々教えてくれないです。
以上、男の和服着物の着方でした。
着付けは何度も練習すると、どんどん上手くなっていきます。
ご自身のピッタリの着付け方法が見つかるとベストです。
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