褌(ふんどし)は和装の下着パンツです。
時代劇や漫画などで一度は見た事があると思います。
ただ「ダサい物」として描かれる事が多く、あなたもどこかイメージが悪くなっているのではないでしょうか。
しかしながら、男の和服着物を着る方にとって最適な物であるのは違いありません。
最近ではバリエーションも増えており、注目を浴びています。
今回は男の和装パンツについて考えてみたいと思います。
一緒に見ていきましょう。
結論
・ ふんどしの歴史は形状として六尺ふんどし、越中ふんどし、もっこ褌、黒猫などの多数あります
・ 着用方法は巻きつける形。越中ふんどし、もっこ褌は着用が簡略化されています
・ 使用感は意外にフィットする。洋装下着とほとんど変わらないです。ただし全体的な締め付け感がないので健康志向の方に○。
・ 選び方はズバリ2択。シック系にするか、ド派手系にするかです。
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要点だけであれば、3.ポイントをご覧下さい
目次
1. 歴史・種類・着用方法
歴史
室町時代、手綱(たづな)と呼ぶ布でした。
それが江戸時代に庶民に広まり、下帯(したおび)から褌(ふんどし)に変わっていきました。
仕事着として「(他人から)見えること前提」で使われていたらしいです。
ちなみに女性には湯文字(ゆもじ→裾よけの半分位の長さ)と呼ばれている下着があります。
第2次世界大戦後に消えたようです。
種類・形状・素材
男の和服着物の褌は主に以下の4種類があります。
↓↓↓
六尺(ろくしゃく)ふんどし
素材:綿、麻
形:長さ2~3m、幅16~34cm
相場:1,000円~2,000円位
日本の褌の源流であり、古くから使われるタイプです。
諸説ありますが、南方系大陸から伝わったという説があります。(東南アジア・ポリネシア)
六尺(ろくしゃく)とは現在の単位で2~3mの長さを表します。
幅は16~34cmぐらいです。
元々は麻素材だったようで、江戸時代には木綿に代わっていきました。
明治末まで、男の主な下着として活躍しました。
越中(えっちゅう)ふんどし
素材:綿か麻
形:長さ1m、幅34cm(生地の端に紐が左右についている)
相場:1,000円~2,000円位
一説によると戦国時代にできたと言われています。
本格的に普及したのは軍隊が支給し着用を義務付けた明治末頃で、大正から昭和初期までは「六尺ふんどし」を抑えて日本人男性の主な下着になりました。
六尺(ろくしゃく)ふんどしよりも簡易的で快適な下着とされています。
現在、ふんどしといえばコレを指すことが多いです。
もっこふんどし
素材:綿か麻
形:長さ70cm、幅34cm(生地の両端に紐がついている。サイド一箇所で結ぶ「紐パンツ」のような形状)
相場:1,000円~2,000円位
ふんどしのサイドで紐結びが出来るタイプです。
「越中ふんどし」の更に簡単なタイプ。
名前の由来は土木工事現場で土を運ぶ道具「畚(もっこ)」に似ているからとか。
黒猫(くろねこ)ふんどし
素材:本来は黒の麻、今は木綿?
形:長さおそらく60m、幅34cm(生地の端に紐が左右についている。もっこ褌のTバック型)
相場:1,000円~2,000円位
股間のみ隠すタイプです。
現代で言う所の女性用の「Tバック型ひもパンツ(Tバック型もっこふんどし)」に近いです。
二等辺三角形の黒い麻生地の底辺(生地の端)にひもが左右についており、三角形の頂点(先端が筒状)にひもを通し、腰サイド一箇所で紐結びすると言いった形です。
昭和初期に出来たらしく、学生(子供)の水泳の時間に着用されたとか。
主に黒の麻素材で作られることから名前ができたと言われますが、本来の名前は水褌だそうです。
着用方法(代表的な物)
六尺(ろくしゃく)ふんどし
ふんどし布を広げ、アゴにはさんだ状態で身体の前に垂らす(この時、前たれの長さを決めます)
↓
ふんどし布で股間を包み、股をくぐらせ後ろにまわします。(股からお尻にかけてふんどし布を絞って細くしていきます)
↓
後ろに回したふんどし布を背中から右腰を通り、身体の前面(へその下)を通過し、左腰にまわします。(その後、アゴに挟んでいた布を下ろします。この時ふんどし布ははちまきのように細くします)
↓
左腰を通って後ろに向かった布を、先ほど股から出した布の下にくぐらせ緩まないように注意しながら上に引き上げます。(Tバック状態。2,3回上げ下げして緩みのない状態にします)
↓
今度は布を立て廻し(たてまわし→Tバック線部分)の左横廻し(よこまわし→腰サイドのひも)に下から上へくぐらせ、さらに緩まぬようにします。
↓
それを左右もう1回づつ繰り返し、最後は左横回し(よこまわし→腰サイドのひも)に余った布を巻き続けて完了です
越中(えっちゅう)ふんどし
後ろからふんどしを(腰に)ひもで結ぶ
↓
股を開き、後ろのふんどし布を身体正面に持ってくる(股を通す)
↓
そのふんどし布を腰のひもに引っ掛ける(内側から通す)
↓
ふんどし布のシワを取り完成
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もっこ褌
下からもっこ褌を穿く
↓
股間をしっかり包む
↓
サイドにあるひもを結び完成(サイズがあっていないとゆるいです)
手入れ
洗う
天然素材が多く、自身で洗うことができます。
色付きの場合、色が出ますので他の服と分けておきます。
絹の場合はドライクリーニングです。
色
定番は白。
その他、黒や赤もよく出ます。(最初のオススメは黒系です)
シックなものから原色の鮮やかな色までカラフルに揃っています。
柄
無地
初心者さんなら、まず最初に持っておきたい定番の無地です。
小紋柄
手拭いに使われそうな比較的小さめの柄がよく販売されています。
現代柄
最近ではヒョウ柄やギンガムチェック、水玉まで洋服のでおなじみの柄が揃います。
※注意
色付きのふんどしは大抵色が出るます。嫌な方は白がオススメです。
使用感
長方形の布だけなのに意外とフィットするので驚きです。
ボクサーブリーフと違い締め付けない(お尻と下着の間に空間ができる)ので健康志向の方にも人気です。
意外に女性の方が「良い眠りを求めたら、ふんどしが良い」と言います。
理由は
・ゴムを一切使わず締め付けない(自然なゆとり)
・天然素材
だそうです。
もしもあなたがベッドでなかなか寝付けなかったり、締め付ける下着が気になるようなら(リラックスして眠る為)一度ふんどしを睡眠時に試してみて下さい。
関連記事 >>【男の和服着物のフィットネス】着物アイテムを使った4つの手法とは
2. 選び方
今日は合わせ方ではなく、アイテム選びについて考えてみましょう。
選ぶ基準は
快適さと
使いやすさで
ズバリ
↓↓↓
越中(えっちゅう)ふんどし、もっこふんどしの
シック系
ド派手系
の2タイプがオススメです。
種類
着脱を考えると
越中(えっちゅう)ふんどし
か
もっこ褌
の2択です。
{決して六尺(ろくしゃく)ふんどしがダメな訳ではないです。着脱に慣れている方は大丈夫です。}
色
シック系は黒・グレー・紺・茶色など
ド派手系は赤・オレンジ・黄色など
素材
木綿
か
麻
(シック系、ド派手系どちらも吸湿性があり洗える天然素材)
柄
無地
か
小紋柄
シック系は落ち着いた色の無地か小紋柄。
ド派手系は鮮やかな色の無地か原色の小紋柄。
基本他人から見える物では無いですが、羽裏(はうら→羽織の裏地。見えない部分に凝る美学がある)のようにこだわるのもありですね。
※注意
どのふんどしをするにも
ギャランドゥー(下の毛)がはみ出してしまうとかっこ悪いので
はみ出し部分を処理をしておくのをオススメします。
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3.ポイント
結論
・ ふんどしの歴史は形状として六尺ふんどし、越中ふんどし、もっこ褌、黒猫などの多数あります
・ 着用方法は巻きつける形。越中ふんどし、もっこ褌は着用が簡略化されています
・ 使用感は意外にフィットする。洋装下着とほとんど変わらないです。ただし全体的な締め付け感がないので健康志向の方に○。
・ 選び方はズバリ2択。シック系にするか、ド派手系にするかです。
以上、男の和服着物のふんどしでした。
最近では、健康志向の女性にも注目されているふんどしです。
形も少しづつ変わってきているようなので、男性物も女性物と同様にある時ブレイクするかもしれませんね。
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