※こちらの記事は、和装ベースのMIXスタイルにする際必要な知識です。ガチ和装をする時も役立ちます。
アニメやゲームに関心のある方で
和風ベースのスタイリングをしたい場合
避けて通れないのが和服着物の知識です。
そして、まず第一に分からないのが「何のアイテムが必要なのか?」です。
次に疑問なのが、一般的に言う「和装」とはどんな物なのか?です。
これらを必要なアイテム中心にご紹介します。
私(狐面)と一緒に見ていきましょう。
結論
・一般的な和装に必要な物は長着(ながぎ→着物)、角帯(かくおび→一般的な長方形の帯)、腰ひも、長襦袢(ながじゅばん→着物の下に着る着物)、足袋(たび→和装靴下)、履き物、裾よけ、肌襦袢(はだじゅばん→和装下着)
★★ここからは無くて可★★
+羽織(はおり→和装ジャケット)、羽織紐(羽織の前を留めるもの)、袴(はかま→和装パンツ)
・遊びで使うなら、着物と腰ひもがあれば、洋物アイテムで代用可。
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下をクリックすると着物寸法表に飛びます。(着物、長襦袢、羽織、袴)
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上をクリックすると着物寸法表に飛びます。(着物、長襦袢、羽織、袴)
身長、手の長さ等入力するだけで自動で寸法が出ます。
※注意
こちらの寸法はあくまで参考数値です。
正確にはお店の方にお尋ね下さい。
また、地球上の民族服のマトリックスをみても分かるように、
洋服とは対極に位置する和服は、別物と認識して学んでいきましょう。
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長着(ながぎ⇒着物の事)
通称は長着(ながぎ)と呼ばれます。
特徴はワンピース型の服で、袂(たもと)がある事です。体の前で重ねて着ます。右身頃(みぎみごろ→右側にある着物前部分)、左身頃(ひだりみごろ左側にある着物前部分)の順に重ねていきます。
洋服で言うところの「シャツ+パンツ」です。
実は女性物と違い、男性物は袖に振り(ふり⇒身頃と袖との縫い付けを少なくし、袖が独立している)がなく、おはしょり(着丈に合わせて余った部分を腰の上で揚げ折りして着る事)をせず、対丈(ついたけ⇒身の丈と同じ。おはしょりをせず着る事)で着ます。
後ろの衿はピタッと首に沿って着用し、女性のような繰越(くりこし⇒衿を後ろに引き、うなじを見せる着方)はしません。
和装のメインアイテムなので、落ち着いた色柄を選ぶと良いでしょう。
季節により3種類の長着(ながぎ→着物の事)があります。(正式な場でない限り、あまり厳格に守る必要はありません)
袷(あわせ)・・10月から5月まで着る。裏地の付いた物。
単衣(ひとえ)・・6月と9月に着る。裏地が付いていない物。
薄物(うすもの)・・7、8月に着る。透ける素材で、なおかつ裏地のない物。
また、素材と紋(もん)により格が変わります。
大きく分けて
1、礼装・・黒紋付き羽織袴(くろもんつきはおおりはかま)
黒羽二重(くろはぶたえ⇒つやつや生地)
2、準礼装・・色紋付き羽織袴(いろもんつきはおりはかま)
色羽二重(いろはぶたえ)、御召(おめし⇒しぼのある生地)
3、お洒落着・・羽織+長着(ながぎ→着物の事)
御召(おめし)、紬(つむぎ→手で紡いだ節のある織物。)
4、普段着・・浴衣(ゆかた)、着流し(きながし⇒羽織なしで着る事)
紬(つむぎ)、木綿
となり、夏には麻も使われます。
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帯
腰に巻き付けて、着物を固定するものです。
洋服で言う所の「ベルト」ですが、装飾的には「ネクタイ」並みで非常に重要です。
和服着物の場合、長着(ながぎ)と帯の組み合わせでお洒落をします。
男性の場合、帯とは角帯(かくおび)と兵児帯(へこおび)の2種類です。
一般的には角帯(かくおび)を使い、兵児帯(へこおび)は家でのくつろぎ用と思ってください。(意図的に兵児帯をお洒落の外しで使ったりもします)
角帯(かくおび)は固めの帯、兵児帯(へこおび)は柔らかめの布帯です。
角帯(かくおび)
角帯(かくおび)は長さ4メートル、幅は8cmから10cmほどの長細い帯です。
兵児帯(へこおび)
兵児帯(へこおび)は長さ3、6m、幅45cmほどの柔らかく薄い生地です。
どちらも基本、季節に関係なく使える物です。
素材は絹物が主で、木綿、夏用に麻等。ポリエステルもあります。
定番柄がありまして、
角帯(かくおび)は博多献上帯(はかたけんじょうおび→博多で作られる伝統的な帯)に使われる独鈷柄(どっこがら→2本線のような模様)
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兵児帯(へこおび)は部分的に絞り(しぼり→伝統的な染色方法。絞って防染する)が装飾的についた柄です。
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長襦袢(ながじゅばん→着物の下に着る着物)
長着の下に着る着物です。形はほぼ、長着(ながぎ)に似ています。
素材は長着(ながぎ)と少し違います。主に男性は普段着の場合は白などではなく、柄が派手めの物を選びます。袖口(そでぐち)から見えるもので、そのあたりを計算に入れましょう。
衿に関しては、半衿(はんえり)という汚れ防止布を衿に縫い付けます。
よく使用される色は黒、紺、灰色、茶色等です。白は礼装用で、男性は普段あまり使いません。
これは「汚れ防止」と共に「お洒落」の意味合いがあります。
アクセントで綺麗な色も使います。
ガチ和装をする際の注意点として、
・長着(ながぎ)の袖口(そでぐち)から長襦袢(ながじゅばん)の袖が飛び出さない事。
・長着(ながぎ)の裾(すそ)から長襦袢(ながじゅばん)の裾が飛び出さない事。
がありますが、古着の着物を使用しMIXスタイルを楽しむ場合
ほぼ不可能なので気にしなくて良いです。
その他、仕立て方が2種類あります。
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関東仕立て(かんとうじたて)・・竪衿{たてえり⇒長襦袢(ながじゅばん)の前幅(まえはば)を広く作る為に縫い付ける布}が無い。
江戸風に衿をはだけて着たい方用(デメリットとして、はだけやすい)
関西仕立て・・竪衿(たてえり)が有る。
京都風に衿をきちんと合わせたい方用(基本はこちらがオススメ)
となっております。ガチ和装出なければここも聞き流しておいて下さい。
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肌襦袢(はだじゅばん)
長襦袢(ながじゅばん)の下に着る下着です。汗や汚れを着物につかないようにする効果があります。
洋服で言うところの「Tシャツ」です。
主に綿素材の晒(さらし)で、半そでタイプが多いです。
作務衣(さむえ→上下二部式の和装服)の上着的イメージの物で、脇は開いています。
基本、外からは見えないので白が基本です。
ほとんど既製品で売られています。
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ステテコ
肌襦袢(はだじゅばん)の下半身版です。
パンツ型で、主に綿素材の白色です。
洋服でいうところの「スパッツ」です。
楊柳(ようりゅう⇒縦しぼのある素材)で出来てる物が多く涼しいです。
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下半身の汗を吸い取ってくれる物を選びましょう。
こちらもほぼ既製品です。
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足袋(たび→和装靴下)
和装で唯一立体的なアイテムです。
靴下と似ており、親指だけ独立しています。
洋服で言うところの「靴下(+靴)」です。
男性は主に紺、黒で、白は礼装以外余り使いません。(白の清潔感が受けて、最近は男性でも人気が出て来ています。)
素材はキャラコ(上質な綿)で、袷(あわせ⇒2枚の生地で作られた物)仕立ての物は年中使えます。
かかとの後ろにコハゼという留め金があり、4枚コハゼが一般的です。
一般的に靴のサイズと同じ物を選ぶとされますが、足の甲の高さや幅などにより、
・ゆたか(ゆったり型)
・なみ(普通型)
・ささがた(細目型)
から選べます。(既製品でも大手メーカーなら三種類選べます。)
ピタッとした寸法だと美しいです。
注意点は
・洗うと縮むので、履けなくなる恐れがある事です。(靴のサイズで選べば最初大きいですが、縮んでちょうど良くなります。)
ただし、履く前に引っ張って伸ばすと一時的にある程度伸びます。
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履物(はきもの)
草履(ぞうり)と雪駄(せった)、下駄(げた)の3種類あります。
草履(ぞうり)・・エナメルなどの台(足を乗せる部分)である事が多いです。
お洒落からフォーマルまで鼻緒により決まります。
雪駄(せった)・・畳表(たたみおもて→畳みのような)などの台が多いです。
同じくお洒落からフォーマルまで鼻緒(はなお)により決まります。
下駄(げた)・・主に木で出来た台である事が多いです。
ほぼカジュアル用です。
鼻緒が白で畳表(たたみおもて→足をのせる部分が畳状のもの)だと礼装用。
履いた時にかかとが1~2cmほど出るぐらい小さめが良いです。
誂え(あつらえ⇒オーダー)の場合、鼻緒(はなお)はリクエストに応じてきつくも緩くも出来ます。
下駄も二本歯(一般的な下駄のイメージで下に伸びる歯が2本のもの)だけでなく、様々な形があります。
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羽織(はおり→和装ジャケット)
長着(ながぎ)の上に羽織る着物です。
形は長着(ながぎ)の裾が短い版に似てます。違いは衿を折り返して着る所と、前で身頃(みごろ→ボディー部分)を重ねない所です。
洋服で言うところの「ジャケット」のような位置付けで
ぐっとお洒落感、フォーマル感がアップします。
季節により3種類あります。
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袷(あわせ)・・袷(あわせ)の長着(ながぎ)に合わせて、10月から5月まで。 羽裏(はうら⇒羽織の裏地)ありです。
単衣(ひとえ)・・単衣(ひとえ)の長着(ながぎ)に合わせて、6月,9月。 羽裏(はうら⇒羽織の裏地)なしです。
薄物(うすもの→透け透けの生地)・・薄物(うすもの)の長着(ながぎ)に合わせて、7、8月。 羽裏(はうら)なし。単衣(ひとえ)と同じ構造ですが、透ける生地を使用していてとても涼しいです。
外から見えないですが、
羽裏(はうら→羽織の裏地)に凝った色柄を使うのが粋(いき→シンプルでカッコいい)とされ、お洒落な男性は競って羽裏(はうら)にこだわりました。これを裏勝り(うらまさり→見えない所のお洒落やこだわり)と言います。
理由として、江戸時代の奢侈禁止令(しゃしきんしれい→贅沢をするなという法律)の影響という説もあります。
イギリスのスーツスタイルなど、世界的に見ても男性ファッションは裏勝り(うらまさり)傾向があり、分かり難さを好むようです。
注意点は、(可能であれば)
・羽織(はおり)の袖口から長着(ながぎ)の袖が出ない事です。
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羽織紐(はおりひも→羽織を留めるひも。和装ネクタイ)
羽織(はおり)の前身頃(まえみごろ→前の部分)同士をつなぐ紐の事です。
装飾的な意味合いが強いアイテムで、左右の紐同士を結んでとめます。
洋服で言うところの「ボタン(+ネクタイ)」です。
形として2種類
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紐タイプ・・房(ふさ)付きの組みひもタイプ
石付タイプ・・一本の紐タイプ。石などが1つ真ん中についてます。
白色で紐タイプが礼装用です。
紐タイプはフォーマル寄り、石付タイプはカジュアル寄りです。
注意点は、
・色選びです。比較的紺、深緑などシックな色目が使いやすいのでまずは揃えましょう。
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袴(はかま→和装パンツ)
長着(ながぎ→着物の事)の上から付けるズボン的な物です。
洋服で言うところの「パンツ(種類によってジーンズやトラウザーズ、タキシードパンツなどあり)」です。
タイプは3種類
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礼装用・・グレーの縞で出来た仙台平(せんだいひら→独特の色合いの袴地)など。
洒落用(しゃれよう)・・素材、色共に仙台平(せんだいひら)以外の物。
普段用・・カジュアルな素材であり、なおかつ形が細身。野袴(のばかま→野良着用はかま)のような。
和風MIXをされるならよく使います。
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必要な小物(こしひも)
腰紐(こしひも)・・長着(ながぎ⇒着物の事)を着る為の紐です。
長着(ながぎ→着物)と長襦袢(ながじゅばん→着物の下に着る着物)を固定するため、2本必要です。
洋服でいうところの「?(該当する洋服アイテムが無く、あえて言えばゴム紐)」です。
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結論
・一般的な和装に必要な物は長着(ながぎ→着物)、角帯(かくおび→一般的な長方形の帯)、腰ひも、長襦袢(ながじゅばん→着物の下に着る着物)、足袋(たび→和装靴下)、履き物、裾よけ、肌襦袢(はだじゅばん→和装下着)
★★ここからは無くて可★★
+羽織(はおり→和装ジャケット)、羽織紐(羽織の前を留めるもの)、袴(はかま→和装パンツ)
・遊びで使うなら、着物と腰ひもがあれば、洋物アイテムで代用可。
お疲れ様でした。
以上が和装ベーススタイルで知っておきたい「基本の基」でした。
あなたが普段慣れ親しんでいる洋服と少し構成が違う事に戸惑うかもしれませんが、逆にそこが異文化の面白さです。
洋服との進化の違いを噛みしめながら、
これらの知識をもとに、ご自身の和装MIXスタイルを構築していきましょう。
※参考
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