和服着物好きが外を歩こうと思ったら、履物が必要になります。
男性の和服用の履物は、一般的に3種類あります。
また、靴と同じく履き物もTPOに合わせて使い分けます。
今回は履物の種類や、選び方と履き方についてお話ししていきます。
一緒に見ていきましょう。
結論
・男の履物は3種類。草履(ぞうり)、雪駄(せった)、下駄(げた)です
・選び方はやや小さめ、合わせ方は草履(ぞうり)雪駄(せった)がややドレス、下駄(げた)はほぼカジュアルと覚えましょう
ライン@のアカウント変更しました!(2021年2月13日)
要点だけなら、3、ポイントをご覧ください
1、種類
履物には
雪駄(せった)
草履(ぞうり)
下駄(げた)
の3種類があります。
既製の物ですと、寸法(サイズ)があります。
Sサイズ(22〜24cm)←あまり無い。
Mサイズ(24〜25.5cm)
Lサイズ(25.5〜27cm)
LLサイズ(27〜28cm)
特徴として、関東では細身の鼻緒(はなお)が好まれ、関西では太めの鼻緒(はなお)が好まれるようです。
余りに細身の鼻緒(はなお)は実用的ではなく、あくまでおしゃれの範疇(はんちゅう)だと思って下さい。
草履(ぞうり)の台にも言える事で、関東は幅が狭いあっさりとした物が、関西は幅が広い物が好まれます。
一般的な物としては、足に合った適切な物を見つけてみましょう。
正しい選び方は、踵が少しだけはみ出るくらい(約1センチ程)がバランス良いと言われています。
これは、台の大きさと鼻緒(はなお)のすげ具合(すげ具合→締め具合)も関係してきます。
雪駄(せった)
台の裏に牛革の底を縫い付けた物で、踵(かかと)の部分には金具が付いているのが特徴です。
茶人の千利休(せんのりきゅう)が考案したと言われています。
草履(ぞうり)の1種類に分類される物です。
物によって礼装・お洒落履きどちらにもお使いと頂けます。
ただし礼装用には、白鼻緒(はなお→草履の紐)で色なしの畳表(たたみおもて)である物のみ使えます。
草履(ぞうり)
色選びにより正礼装から普段着まで幅広く使う事が出来る履物です。
雪駄(せった→底に革を貼ったカジュアル草履(ぞうり)の一種。男性のみ)でなくとも、白い鼻緒(はなお→草履の紐)であれば礼装となるそうです。
女性物では礼装として知られているエナメルの草履(ぞうり→クッション入りの和装サンダル)も男性の間ではややフォーマルぐらいになります。
雪駄(せった)と間違われやすいのですが、草履(ぞうり)は表の大台と裏張りとの間に、一枚芯が入れてあります。
踵(かかと)の部分には金具のような物はありません。
下駄(げた)
主に木で出来ているシンプルな履物です。
代表的な物として二枚歯(にまいば→二本の歯が出ている様に見える)の下駄(げた)がありますが、現在は右近下駄(うこんげた)と呼ばれる、高さの低いサンダル形状の物がよく使われております。
主にカジュアル用とされております。
ただし、畳表(たたみおもて)の下駄で、白い鼻緒(はなお→草履の紐)ならば、礼装に使えるそうです。
台の角をそのまま残したカクカクの形{真角(まっかく)}や、角を取った丸みのある形{大角(おおかく)}などバリエーション豊かです。
関西では大き目の台、関東では小さめ目の台が好まれております。
雨用の履物としましては、つま先部分にビニールカバーが装着されている物(雨用草履)があります。
高下駄(たかげた→普通の下駄より高い下駄)に爪革(つまかわ→爪先を雨に濡れないよう覆う物)と呼ばれるカバーをつける場合もあります。
2、履き方
サイズ感
一般的には小さめが履きやすいと言われており、小指と踵が台から少しだけはみ出る位が、最も歩きやすいサイズと言われております。
また鼻緒(はなお→草履の紐)の細さにより足が痛くなったりしますので、履き慣れない方であれば太めの鼻緒(はなお→草履の紐)をお勧め致します。
履き方
鼻緒が足の親指と人差し指の間にしっかり食い込むような履き方ではなく、少しゆとりのある履き方の方が粋(いき→シンプルで簡単なこと)でおしゃれとされます。
歩き方
少し引きずるような履き方、歩き方が一般的です。
気を付ける事
雪駄(せった)の場合、踵(かかと)に金具がある為、つるつるの床では滑って転んでしまう恐れがあります。
粋な履き方がお好きな方は、鼻緒(はなお)をキツキツにすげてもらい踵(かかと)が台より大きく出た状態で引きずって歩く「つっかけ」という履き方もあります。
ただし、歩きにくいです。
関連記事 >>【男の和服着物の種類と格の見分け方】図解で解説!6つのシーン
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TPO
男の和服着物において、履物のTPOは大きく2種類だけです。
↓↓↓
礼装(黒紋付羽織袴、色紋付羽織袴)
シーン:結婚式、授賞式、お葬式、式典全般
履物:畳表(たたみおもて)で白鼻緒の雪駄(せった→底に革を貼ったカジュアル草履(ぞうり)の一種。男性のみ)もしくは草履(ぞうり→クッション入りの和装サンダル)
カジュアル(羽織袴、羽織+着物、着物、浴衣)
シーン:パーティー、お食事会、街歩き
履物:上記以外の雪駄(せった→底に革を貼ったカジュアル草履(ぞうり)の一種。男性のみ)、草履(ぞうり→クッション入りの和装サンダル)、下駄(げた)
男性の場合、
白い鼻緒(はなお→草履の紐)の色なし畳表(たたみおもて)のみ礼装と思いましょう。
※注意
カジュアルでも下駄(げた)は基本最もくだけており、雪駄(せった→底に革を貼ったカジュアル草履(ぞうり)の一種。男性のみ)と草履(ぞうり→クッション入りの和装サンダル)は比較判断が難しいところです。
また、畳表(たたみおもて)が黒く染まっている場合、通称カラスといい、カジュアルになります。
3、ポイント
・お洒落用に雪駄(せった)礼装から普段用までの草履(ぞうり)、カジュアルの下駄(げた)がある
・雨の時には爪皮(つまかわ)を下駄に付けるか、雨用草履を使う
・少し小さめで、踵(かかと)、小指が少し出る位が履きやすい
・鼻緒(はなお)と指の股の間に少しゆとりを持たせた履き方で、少し引きずるように歩く
結論
・男の履物は3種類。草履(ぞうり)、雪駄(せった)、下駄(げた)です
・選び方はやや小さめ、合わせ方は草履(ぞうり)雪駄(せった)がややドレス、下駄(げた)はほぼカジュアルと覚えましょう
以上、和服着物の履物の種類でした。
一般的に男性が使う履物のお話をしました。
これは実際に履いてみるのが一番です。
まずはカジュアル用の雪駄(せった)から手に入れていくと良いかと思います。
自身の好みを把握し、徐々に幅を広げていきましょう。
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