男の和風スタイルweb学校

【男の和服着物の家紋】和のドレスコード!3つの楽しみ2つの装い!

更新日:

和服着物を楽しむ方がいずれ行き着くのが家紋(かもん)です。

家紋(かもん)の意味もさることながら、デザイン自体にも和のエッセンスが詰まっています。

今回はそんな家紋について考えてみたいと思います。

 

アンティーク着物はじめました。

↓↓↓

↑↑↑

アンティーク着物はじめました。

 

ライン@のアカウント変更しました!(2021年2月13日)

↓↓↓

文化
お急ぎの方へ

要点だけであれば、3.ポイントをご覧ください

1.歴史・種類

歴史

家紋(かもん)とは家のシンボルマークであり、数として600種類ほど存在すると言われる日本の独自デザインです。

平安時代

主に貴族が使い始めたのが始まりと言われます。

諸説ありますが、自分の所有物を見分けるために牛車(ぎゅうしゃ)に使った物が始まりと言われます。

その時は自分たちの好みのものを作ったらしいです。(権力の誇示)

 

戦国時代

その後、武士たちが別の形で使い始めます。

戦(いくさ)での目印としての旗や陣幕などです。(団結の意味)

傾向として、公家は華やかなものを好み、武士はシンプルなものを好みます。

 

江戸時代

豊臣秀吉の時代に家紋の使用を強く規制され、江戸時代に(規制が)緩くなり、庶民も使えるようになりました。

庶民の使用目的はそれぞれ異なっています。

↓↓↓

工人(こうじん)

職人たちは工芸製品のブランド力を誇示しました。

商人

商人たちは「のれん」などで自分たちのお店を宣伝しました。

農民

農民たちは装飾を目的に家紋(かもん)を使いました。

 

徳川5代目将軍の時代からは町民文化が爆発し、役者などの「芸能人の家紋」も大人気になります。

加賀紋(かがもん→一般に友禅染を使った多色のオシャレ家紋。上級武士など上品なイメージ)、

 

伊達紋(だてもん→一般に刺繍を使った多色のオシャレ家紋。数寄者や侠客などストリート色が強い)

 

など装飾を強くしていったものもあります。

 

明治時代

ほぼ全員、一斉に苗字と共に家紋(かもん)を決められました。

現在

今、一般の方は家紋を使う機会が無くなりました。

一部、天皇家の十六弁八重表菊紋(じゅうろくべんやえおもてぎくもん)

日本国政府の五七桐紋(ごしちのきりもん)

などの習慣が残っています。

意味

・格を表す

・所有物の印の名残り

・お洒落

種類

一般家紋

家に伝わる代々の家紋(かもん)の事です。普通、家紋(かもん)とはこちらを指します。

加賀紋(かがもん)

(京都の刺繍 三京様より引用:https://www.shisyu.net/product/%E3%81%8A%E6%B4%92%E8%90%BD%E7%B4%8B/

彩色した草花などを図案化したものです。

おしゃれを目的としており、比較的派手です。

本来は加賀紋(かがもん→一般に友禅染を使った多色のオシャレ家紋。上級武士など上品なイメージ)、

伊達紋(だてもん→一般に刺繍を使った多色のオシャレ家紋。数寄者や侠客などストリート色が強い)というように棲み分けられてましたが、

現在は合わせて加賀紋と呼ばれています。

しゃれ紋

(衣裳らくや公式ブログ様より引用:https://rakuya.exblog.jp/9707035/

落語家さんが好みで入れるような紋です。

一種の遊び。

五つ紋(いつつもん)

付ける場所:胸2つ、背中1つ、左右の袖の後にそれぞれ1つずつ

相場:10000円~25000円位(着物によります)

三つ紋(みつもん)

付ける場所:袖後ろにそれぞれ1つ、背中に1つ

相場:15000円~20000円位(着物によります)

一つ紋(ひとつもん)

付ける場所:背中に1つ

相場:10000円~17000円位(着物によります)

関連記事 >>【男の和服着物の種類と格の見分け方】図解で解説!6つのシーン

付け方

染め抜いたり、縫ったりしてつける方法があります。

その方法により格も変わります。

染め紋

染め抜き紋(そめぬきもん)

(キモンドウ様より引用:https://kimondou.jp/news/?p=565

 

(家紋のいろは様より引用:https://irohakamon.com/kamon/kiri/gosankiri.html

石持ち(こくもち→丸く白い部分)を染めて作ります。

正式な五つ紋はこの染め抜きで作り、格も最も高い手法です。

相場:10000円~15000円位

 

中陰紋(なかかげもん)

(家紋のいろは様より引用:https://irohakamon.com/kamon/kiri/chuukagegosankiri.html

 

染め抜きの「影の部分」と「日向(ひなた)の部分」とが逆になっています。

相場:13000円~20000円位

刷り込み紋(すりこみもん)

伊藤紋章店 「紋武」様より引用:http://mon.no.coocan.jp/surimon.htm

プリント式で刷り込む簡易的なものです。

七五三等のお子さん用によく使われます。

格が低めです。

相場:8000円~14000円位

縫い紋(ぬいもん)

刺繍で作った家紋の事です。

一般的に一つ紋にします。

少しドレスアップしたい時、羽織に一つ紋は結構使えます。

相場:10000円~17000円位

貼り紋(はりもん)

(貼り紋専門オンラインショップ様より引用:https://harimon.easy-myshop.jp/c-fpage?fp=12

即席の家紋で黒紋付きなどに使います。

文字通り「貼れる家紋」でシールになっています。

相場:2000円~4000円位

 

アンティーク着物はじめました。

↓↓↓

↑↑↑

アンティーク着物はじめました。

2.楽しみ方

A.服に付ける・持ち物に付ける

B.自分のルーツを探す

C.デザインをする(ルールを学び鑑賞する)

 

A.服に付ける・持ち物に付ける

パターン1(服に付ける)

家紋(かもん)の役割として、和装の格をアップさせたりダウンさせたり出来ます。

 

服装

例1

羽織(はおり→和装ジャケット)

御召(おめし→光沢のあるドレッシーな生地)

グレー

縫い紋一つ

着物

御召(おめし→光沢のあるドレッシーな生地)

角帯(かくおび→一般的な長方形の帯)

博多献上(はかたけんじょう→男の定番帯)

銀鼠(ぎんねず→シルバーグレー)

足袋(たび→和装靴下)

履物

草履(ぞうり→クッション入りの和装サンダル)

雪駄(せった→底に革を貼ったカジュアル草履(ぞうり)の一種。男性のみ)

畳表・黒

羽織紐(はおりひも→羽織の前面につく紐)

丸組(まるぐみ→円柱状に組んだ組紐)

グレー

 

例2

羽織(はおり→和装ジャケット)

黒紋付

縮緬(ちりめん→一面に細かな凹凸を出した絹織物)

五つ紋染め抜き

着物

江戸小紋(えどこもん→極小柄の着物)

黒・グレー

角帯(かくおび→一般的な長方形の帯)

博多献上(はかたけんじょう→男の定番帯)

足袋(たび→和装靴下)

履物

草履(ぞうり→クッション入りの和装サンダル)

シルバーグレー

羽織紐(はおりひも→羽織の前面につく紐)

丸組(まるぐみ→円柱状に組んだ組紐)

パターン2(物に付ける)

(京都の刺繍 三京様より引用:https://www.shisyu.net/product_tax/fukusa/

風呂敷に付けます。

相場:30000円位(生地込み)

B.自分のルーツを探す

家紋(かもん)の名前を調べ、その意味も調べます。

パターン1(お墓を調べる)

MrJayW / Pixabay

お墓には家紋(かもん)が掘られていますので、こちらで確認して下さい。

家紋(かもん)がわかったら、その名前、形、意味、多く分布する地域などを調べます。

決定版 面白いほどよくわかる!家紋と名字

新品価格
¥1,100から
(2020/6/20 15:35時点)

パターン2(古い着物を調べる)

もしお墓に家紋(かもん)がなければ、お母様、お父様の古い着物を見てみましょう。

風呂敷や袱紗(ふくさ→進物を包んだりする布)などにも染められていたりします。

確認したら、パターン1と同じくルーツを調べます。

C.デザインをするルールを学び鑑賞する

Free-Photos / Pixabay

鑑賞して、和のデザイン手法、特徴を学びます。

家紋(かもん)図鑑を使ってみると、沢山のデザインを見ることができます。

日本の家紋 デジタル版

中古価格
¥3,380から
(2020/6/20 15:45時点)

 

日本の家紋大全

中古価格
¥2,300から
(2020/6/20 15:49時点)

 

パターン1(眺めて楽しむ)

Peggy_Marco / Pixabay

ボーと眺めるとルールが見えてきます。

二次元の世界において、平面的で簡単化されたデザインに気づきます。

パターン2(オリジナルの家紋を作る)

家紋(かもん)の感じが掴めたら自身の家紋(かもん)を作ってみましょう。

落語家さんがよくやっています。

 

参考

修正費用

artursfoto / Pixabay

泣き修正(なきしゅうせい)

(有限会社みつば様より引用:http://www.kimono-mitsuba.com/list/monire.html

7000円位+縫い戻し5000円

家紋が長期間経つことで劣化し、紋の輪郭がぼやけてくる(泣きと言います)のを直します。

染め直し

(有限会社みつば様より引用:http://www.kimono-mitsuba.com/list/monire.html

15,000円+縫い戻し代5000円

家紋を染め直します。

ただし、胡粉(ごふん→貝殻を砕いて作った白い顔料。)で家紋の地がパリッとします。(そのままやると浮き上がる)

 

※注意

縫い紋は基本戻せません。ただし洗い張り(あらいはり→糸をほどき、布状態にして水洗いする事)すれば、縫い目は衿の中に入れられるので可能。

裏地がある場合、袖と脇を縫い解いてやるとのこと。

(裏から蒸気当てながら染めるので)裏地が邪魔になるからだそうです。

 

アンティーク着物はじめました。

↓↓↓

↑↑↑

アンティーク着物はじめました。

3.ポイント

・家紋は日本のエッセンスが詰まっています

・もともとは平安時代の貴族が自分の所有物を示すためのマークです

・家紋にはそれぞれ意味があり、数と染め方で格を表します(一つ紋、三つ紋、五つ紋)

・家紋の楽しみ方として3つ程あります(服に付ける。自分のルーツを探してみる。自分流のデザインで作ってみる。)

 

以上、男の和服着物の家紋でした。

家の家紋を調べる事で、自分自身のご先祖様を感じられます。

「今の自分があるのはご先祖様のおかげだ」と感じられればお盆の墓参りにも積極的になれますね。

文化
簡略化された美しさに、歴史による洗練が透けて見えます

ライン@のアカウント変更しました!(2021年2月13日)

↓↓↓

↑↑↑

気になった話題、素朴な疑問がありましたら

気軽に質問してください!

文化bunka◉着物モッズ【独創的な男の和服着物の研究家】

  • B!