和服着物の男性は日本の歴史に興味があります。
博物館や美術館も良いのですが、実は身近な所でも歴史に触れる事が出来ます。
そう。今回オススメするのは「神社とお寺」です。
普段だと新年にお参りするか、有名な寺院を旅行で訪れるだけの方が多いと思います。
しかしこの「神社とお寺」は空間全てが和の様式と仕組みで出来ており、歴史に触れるのみならず、和服着物が似合う場所としても非常に重要です。
こちらでは、その基礎知識と楽しみ方を見つけていきます。
一緒に見ていきましょう。
アンティーク着物はじめました。
↓↓↓
↑↑↑
アンティーク着物はじめました。
ライン@のアカウント変更しました!(2021年2月13日)
要点だけであれば3,ポイントをご覧下さい
1、種類と歴史
神社(じんじゃ)
・ もともと大木(たいぼく)や巨大な岩山(いわやま)に神が降りると考えられていました。
その周辺は神聖な場所とされ、祭場(さいじょう)を作ったのが始まりと言われています。
有名神社
・伊勢神宮(三重県)、熱田神宮(愛知県)、出雲大社{(正式名:いずもおおやしろ)島根県}
神道(しんとう)
日本書紀、第31代天皇のころに初めて出てくる日本古来からある自然に誕生した信仰です。
後から渡来する「仏教」に対して「神道」と表現したようです。
寺院
インドの仏教を起源とする(仏教の)建物で修行の場とされます。
もともとインドにお寺など存在しませんでしたが、世界への広まりと共に変化していきます。
西暦552年頃、大陸より仏教が伝来し、その布教の拠点として各地に建てられております。
日本古来の神道との棲み分けが自然となされ、建物の作りも本家インド・ネパールから少しずつ変化し日本的思想を受けています。
*日本では神社とお寺がほぼ半々に共存していると言われます。
有名寺院
西本願寺(京都)、清水寺(京都)、浅草寺(東京)、東大寺(奈良)、法隆寺{(ほうりゅうじ)奈良}、善光寺{(ぜんこうじ)長野}、
仏教
インド・ネパールのブッダが提唱した仏の道、またはその考え方を言います。
東アジアを中心に広まっております。
教えとしては修行により「苦の繰り返しから脱する」事を目指します。
2.楽しみ方
基本、参拝がメイン、お買い物と写真撮影、散策がサブです。
和装で歩くといつも(洋装)との違いに気づきます。
時期により人が集まる時があり、正月・お盆などでは屋台が出ることもあります。
神社・お寺の境内(けいだい→施設のある土地)
神社
共通するのが
・鳥居(とりい)
・参道(さんどう)
・狛犬(こまいぬ)
・神木(しんぼく)
・装束(しょうぞく)
巫女(みこ)
神職(しんしょく)
・締縄(しめなわ)
・手水舎(ちょうずや)
・社務所(しゃむしょ)
・授与所(じゅよじょ)
お守りやお神札(おふだ)を頂く場所
・境内社(けいだいしゃ)
その神社にゆかりのある神様、あるいは古くからのその土地にまつられた神様のお社(やしろ)です。
・御社殿(ごしゃでん)
拝殿(はいでん)
幣殿(へいでん)
本殿(ほんでん)
神楽殿(かぐらでん)
宝物殿(ほうもつでん)
お寺
共通するのが
門
宗派により山門(さんもん)と言ったりする
仁王(におう)
一対の守護神像のこと
手水舎(ちょうずや)
手や口を清める所
金堂(こんどう)
本尊仏を安置する建物のこと。本堂(ほんどう)とも言う
講堂(こうどう)
僧侶が説法、経典の講義をする所で、通常金堂(こんどう)の後ろにある
塔(とう)
五重塔など。元々ブッダの遺骨を安置する建造物のこと
僧堂(そうどう)
座禅の場所。禅堂(ぜんどう)とも言う
庫裏(くり)
お寺の厨房のこと、住職の住居を兼ねている場合もある
東司(とうす)
お手洗いのこと
・参拝方法
神社・寺院は宗教が違う為、参拝方法も変わります。
神社
二拝二拍手一拝(にはいにはくしゅいっぱい)
(奈良県二上山ふもとの鎮守の杜様より引用:http://www.taimayamaguchi-jinja.org/index.php?%E5%8F%82%E6%8B%9D%E3%81%AE%E3%81%97%E3%81%8B%E3%81%9F)
寺院
合掌(がっしょう→胸の前で手を合わせる)
正しい参拝の仕方
神道
神社
鳥居(とりい)のくぐり方
1.鳥居(とりい)の前で一礼してくぐる(鳥居は結界が張られているとされます)
(もしもしにっぽん様より引用:https://www.moshimoshi-nippon.jp/ja/9020)
↓
参道(さんどう)の歩き方
1.道の中央は神が通る正中(せいちゅう)と言い、人間である我々は左右どちらかを通る(基本は左側だそう)
(古墳神社寺祭り様より引用:https://kofunjinjya.com/sanpaihouhou.html)
↓
お手水(おちょうず)の仕方
1.右手で柄杓(ひしゃく)を持ち水を汲んで左手にかけ,左手を清める
2.次に現れた左手にひしゃくを持ち替え,右手を清める
3.次に右手に持ち替え,左手の平に水を注ぐ
そして口をすすぐ
(廣田神社様より引用:http://www.hirotahonsya.or.jp/maturipage/temizu.html)
4.もう一度水を左手に流し
5.最後,水の入った柄杓(ひしゃく)へ縦に水を流しかけ立てておく(一杯の水で全て終える)
6.手拭いを用意する
↓
お賽銭の仕方
1.賽銭箱(さいせんばこ)の前で五円玉(ご縁がありますように)は投げずにそっと入れる
↓
拝礼(はいれい)の仕方
1.90度の角度でお辞儀を2回繰り返す
2.両手を胸の高さで合わせ、肩幅に両手を開き拍手を2回する(右手を少し手前にズラす)
3.両手をキレイに合わせ祈りる
4.両手を下ろして、再び90度の角度で1回深くお辞儀をする
↓
参道(さんどう)の戻り方
1.帰り道も神が通る正中(せいちゅう→真ん中)を避け、左右どちらかを通る(左が正式らしいです)
(古墳神社寺祭り様より引用:https://kofunjinjya.com/sanpaihouhou.html)
↓
鳥居(とりい)の出方
1.鳥居を出た所で振り返り一礼をし帰る
寺院
山門のくぐり方
1.山門の前で合掌し一礼する
2.男性は左足から入る。女性は右足から。敷居を踏まずにまたぐ
↓
お手水(おちょうず)の仕方
1.右手で柄杓(ひしゃく)を持ち水を汲んで左手にかけ,左手を清める
2.次に現れた左手にひしゃくを持ち替え,右手を清める
3.次に右手に持ち替え,左手の平に水を注ぐ
そして口をすすぐ
4.もう一度水を左手に流し
5.最後,水の入った柄杓(ひしゃく)へ縦に水を流しかけ立てておく(一杯の水で全て終える)
6.手拭いを用意する
常香炉(じょうこうろ→線香の煙がでてくる大きな陶器)
1.線香を買い求め、火を付ける
2.香炉(こうろ→お香を焚く際に使う器)に立てる
3.煙を身体にあびる(手でたぐりよせる)
↓
お賽銭の仕方
1.賽銭箱(さいせんばこ)の前で五円玉(ご縁がありますように)は投げずにそっと入れる
2.胸の前で合掌したまま一礼する
↓
焼香(しょうこう→)の仕方
1.右手の親指と人差し指、中指の三つで焼香(しょうこう→)をつかみ、左手を添えて額の前に掲げる
2.香炉(こうろ→お香を焚く際に使う器)に落とす。回数は通常2回が多い
3.胸の前で合掌し、一礼する(この時、願い事をします)
↓
山門からの出方
山門から出る際は、振り返り合掌し一礼してから出る
アンティーク着物はじめました。
↓↓↓
↑↑↑
アンティーク着物はじめました。
お買い物
境内(けいだい)
大きめの神社・お寺では社務所(しゃむしょ→巫女さんが関連商品を販売している所)などでお買い物ができます。
↓↓↓
お神札(おふだ)
神棚に飾る参拝の印です。
家内安全や事業の繁栄などが祈願されています。
お守り(おまもり)
定番です。
起源は勾玉(まがたま→しずくの様な形の石)なのではないかと思われます。
身を守る意味があり
直接参拝できない人に神のご利益を配られるようにしたもの
始まりは平安時代とも言われる
江戸時代には庶民に伝わったと
ちなみに古くなったお守りは捨てずにお寺に納めると良い
数百円で購入可能でそれぞれオリジナルで作っています。
絵馬(えま)
絵が書かれた木の板の事で、個人的なお願いを記入し奉納することで叶えてもらいます。
御朱印(ごしゅいん)
一言で言うと参拝した証明です。
日付、お寺の名前、仏の名前が書かれたりしています。
一時期ブームが起きました。それぞれのお寺で違いがあって楽しいです。
本来は写経(しゃきょう→お経を書き写して学ぶ事)を終えた証としてもらえたらしいですが、最近はコレクションする方も増えています。
数百円程度です。
おみくじ
占いの一種です。
現在のものは室町時代の中国で流行った天竺霊籤(てんじくれいくじ)の変化系と思われます。
300円位で出来ます。
中には水おみくじ(みずおみくじ→水に浸すとおみくじ結果が浮かび上げる)というものもあります。
関連記事 >>【男の和服着物の川床】貴船(きふね)最強!涼しさだけではなく・・
屋台
大きな神社・お寺やお祭りだったりすると屋台が出ています。
おやつや飲み物の食べ歩きも楽しいんですよね。
甘酒(あまざけ)
地サイダー(じさいだー)
ところてん
みたらし団子
五平餅(ごへいもち)
たこ焼き
散策
敷地内をブラブラ歩くのもよし、敷地外に出歩くのも楽しいです。
大きな神社やお寺だと、広い敷地内に色んなものがあります。
静かな空間を楽しみたい場合、(観光客の方が多いければ)神社・仏閣を外から眺めても良いですね。
個人的にひんやりと冷たい空気感が好きなので、生い茂った木の下でスピリチュアルな雰囲気を楽しみます。
服装
ポイントはわざわざ礼装をしなくてもよい所です。
普段着で良いのですが、夏でも羽織は羽織っていきたいですね。
袴に関しては、好みでつけていきましょう。
冬
羽織(はおり→和装ジャケット)
紬(つむぎ→手で紡いだ糸で作るカジュアル生地)
ダークグレー
着物
御召(おめし→光沢のあるドレッシーな生地)
白系
帯
角帯(かくおび→一般的な長方形の帯)
博多献上(はかたけんじょう→男の定番帯)
ダークグレー
履物
雪駄{せった→底に革を貼ったカジュアル草履(ぞうり)の一種。男性のみ}
カラス
足袋(たび→和装靴下)
白
羽織紐(はおりひも→羽織の前面につく紐)
丸組(まるぐみ→円柱状に組んだ組紐)
グレー
夏
羽織(はおり→和装ジャケット)
本塩沢風(ほんしおざわ→新潟産の春夏に最適な生地。シャリ感がたまらない。)
白
着物
絹紅梅(きぬこうばい→盛夏の透ける着物、格子状に太めの糸)
深緑
帯
角帯(かくおび→一般的な長方形の帯)
博多献上(はかたけんじょう→男の定番帯)
銀鼠(ぎんねず→シルバーグレー)
足袋(たび→和装靴下)
白
履物
草履(ぞうり→クッション入りの和装サンダル)
シルバーグレー
羽織紐(はおりひも→羽織の前面につく紐)
丸組(まるぐみ→円柱状に組んだ組紐)
グレー
アンティーク着物はじめました。
↓↓↓
↑↑↑
アンティーク着物はじめました。
3.ポイント
・ 神社仏閣が日本各地にある。歴史に触れるのみならず、和装スポットとしても良いです
・ お寺は仏教施設。神社は神道の施設です
・ 参拝方法はそれぞれ違う。神社は二拝二拍手一拝(にはいにはくしゅいっぱい)、お寺は合掌します
・ あえて言うなら羽織を羽織って行く方が良いです
以上、男の和服着物の神社仏閣でした。
戦後日本は生活システムが西洋化により大きく変わり、日本的なものが消えていきました。
それでもなお、あなたの地元近くに神社やお寺は存在しています。
一歩中に足を踏み入れると空気の違いを感じると思います。
時々訪れることで肌感覚で「和」を理解しておきましょう。
私個人は一時期、近所の何気ない神社の空間が気に入ってしまい、何度も通ったことがあります。
狛犬(こめいぬ)やら、鳥居(とりい)やら、意味があってそこに存在しているので、まずはその空気を和装で体験してみて下さい。
ライン@のアカウント変更しました!(2021年2月13日)
↑↑↑
気になった話題、素朴な疑問がありましたら
気軽に質問してください!
文化bunka◉着物モッズ【独創的な男の和服着物の研究家】