洋服に慣れ親しんだ貴方は
いつも『洋服』の組み合わせをしております。
しかし男の和服着物では
組み合わせの仕方が少し違います。
ここではそのポイントを解説していきます。
一緒に見ていきましょう。
ライン@のアカウント変更しました!(2021年2月13日)
1、服の組み合わせ
長着(ながぎ→着物の事)はワンピース型なので常にセットアップ(洋服で言うところの上下セット)されています。
ですので、洋服感覚ではスーツをイメージすると分かりやすいですね。
和服着物には大きく分けると
長着(ながぎ→着物)
長襦袢(ながじゅばん)
羽織(はおり→和装ジャケット)
袴(はかま→和装パンツ)
帯(おび)
の4つに分かれます。
基本的には長着(ながぎ→着物の事)に帯と羽織(はおり)を合わせてコーディネートします。
注意点として、仙台平(せんだいひら→仙台で作られる袴(はかま)生地。グレーの縦縞柄がイメージ)の袴(はかま)は礼装です。
袴は種類にも寄りますが、感覚的にはタキシードジャケットのようなものです。
(穿くモノなのにジャケットというのはわかりづらいですが)和装では下半身の装いが格に大きく影響します。
本当の礼装では、組合せが決まっているので、今回はドレスカジュアル〜カジュアルのコーデ組み合わせを見ていきます。
洋装に置き換えると、
長着(ながぎ→着物の事)はシャツとパンツ
羽織(はおり)はジャケット
帯はベルト
羽織紐(はおりひも)・半衿(はんえり→下の着物に付ける汚れ防止衿)はネクタイ
と考えると分かりやすでしょう。
和服着物においての、服の組み合わせとは、
羽織+長着(ながぎ)+帯
(洋装でのスーツスタイル感覚)
この組み合わせなのだと、ここでは確認しておいて下さい。
2.色の組み合わせ
これが和服着物の色合わせだ!とはなかなか言えないものですが、こんな傾向です。
1.洋服感覚では 同系色(同系明度)の組み合わせを多く利用しますが、和服感覚では反対色(反対明度)の組み合わせを多用します。
例
白系の着物に、黒系の帯、灰色系の羽織
黒系の着物に、白系の帯、白系の羽織
2.和装は原色カラーを特に嫌います
洋服感覚ではヴィヴィッドトーン(はっきりした色調)
(shinkohsya様より引用:https://www.shinkohsha.co.jp/blog/vividtone/)
和服感覚では グレイッシュトーン(少しグレーみが入った渋い色調)
が多くみられます。
和服がグレイッシュトーンの理由は、
草木染め(くさきぞめ→草木から直接抽出した染料を使って染める技法)から作られる事によって渋みのある色が作られるからだそうです。
ですので、和名がついた日本色は、綺麗な色でも何処か渋さが漂う印象です。
色柄を持ってくる際も、日本色(グレイッシュトーン)の優しい色調で選ぶとしっくりきます。
例
藍色(あいいろ)長着(ながぎ→着物の事)に
銀鼠(ぎんねず)の帯
白羽織
海松色(みるいろ→茶色がかった黄緑色)の長着(ながぎ→着物の事)
栗色の帯
焦げ茶羽織
オススメは、細かい所にアクセントとなる色を持ってくる手法です。
色を使う場所として、
長襦袢(ながじゅばん→着物の下に着る着物)
半衿(はんえり→長襦袢ながじゅばんの衿に付ける付け衿)
羽織紐(はおりひも→羽織の前を留める飾り紐)
などがあります。
※長襦袢(ながじゅばん)は、袖口から少し覗きます。
例
墨色の長着に、銀鼠の帯、白羽織、赤色の羽織紐
白長着に、墨色帯、黒羽織、藤色の半衿
鼠色の長着(ながぎ→着物の事)に、黒の帯、白羽織、藤色の長襦袢(ながじゅばん→下に着る着物)
3.形の組み合わせ
全体的な形について
洋服感覚では(立体服を使って)立体感のある形を作り出す事が多いです。
全身タイトのIライン
あるいは少しゆったり違和感のないように繋げるAライン
Yライン等あります。
和服感覚では(平面服を使って)下半身が立体的な筒状(裾が細まります)を理想としてます。
基本はYラインです。
上半身はゆったりで、下半身はぴったりです。
特に下半身はぴったりタイトに着るというのが美しい着方です。
(太さ、長さについて)
そこに羽織(はおり)をふわっと羽織ります。
・羽織丈の長さ
短い→スタイリッシュ
長い→お洒落感
・帯の太さ
太い→装飾的
細い→粋でシンプル
※羽織(はおり)、長着(ながぎ→着物の事)共に、形に変化が無いので戸惑う方もみえますが、
紳士服のテーラースーツを例にとっても、
社会的な服は同じく形がほぼ決まっています。
4.素材の組み合わせ
長着(ながぎ→着物)・羽織
男性の和服着物で使われる素材は、
羽二重(はぶたえ→艶のある上等な絹織物)
御召(おめし→凹凸のシボがあり、艶もあるちょっと上品な絹織物)
縮緬(ちりめん→凸凹した表面の絹織物)
紬(つむぎ→手で紡いだ素朴な絹織物)
木綿
麻
ウールです。
このうち、羽二重(はぶたえ)は礼装用なので、組み合わせは決まってしまいます。
また、麻やウールは季節感も関係してきます。
男性物は、
基本御召(おめし)
縮緬(ちりめん)
紬(つむぎ)
の3種類の素材(これに木綿を加えても良いです)を組み合わせていきます。
素材感を見て判断しましょう。
※当然同素材の羽織(はおり)、長着(ながぎ→着物の事)の組合せ(これをお対と言います)はピッタリ合いますので、ここでは省きます。
例
・紬(つむぎ)の長着(ながぎ)に、御召(おめし→凹凸のシボがあり、艶もあるちょっと上品な絹織物)羽織。
・紬(つむぎ)の長着(ながぎ)に、縮緬(ちりめん→表面に凹凸のシボがある生地)の羽織。
・縮緬(ちりめん→表面に凹凸のシボがある生地)長着に、御召(おめし→凹凸のシボがあり、艶もあるちょっと上品な絹織物)の羽織。
・縮緬(ちりめん→表面に凹凸のシボがある生地)長着に、紬(つむぎ)の羽織
・御召(おめし→凹凸のシボがあり、艶もあるちょっと上品な絹織物)長着に縮緬(ちりめん)の羽織
・御召(おめし→凹凸のシボがあり、艶もあるちょっと上品な絹織物)の着物に、紬(つむぎ)の羽織
帯
角帯の種類は基本絹織物で、どの素材の長着でも合わせられると思って良いです。
博多帯{はかたおり→博多で作られる丈夫な帯。献上柄(けんじょう柄が有名)}
西陣織(にしじんおり→京都西陣で作られた帯。)
(wabitasブログ様より引用:https://www.wabitas.com/blog/?p=12502)
綴れ織(つづれおり→古代から作られる格の高い帯。)
たまに、染帯(そめおび)や、ミンサー織り(沖縄の木綿織り物)あるようです。
織り方で風合いが変わります。
男の基本は博多(はかた)がオールマイティーです。
余裕が出たら好みに応じて、博多(はかた)以外の帯も取り入れてみましょう。
ご自身の組み合わせができると良いですね。
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5.ポイント
・洋服でもカジュアルよりも、スーツスタイルのドレッシーなスタイルをイメージすると比較的わかりやすいです。
・色の組み合わせは、初めてだとわかりにくいです。雑誌を見るとだんだんわかるようになります。
・形について、ヨーロッパのギリシャ神話に出てくるワンピーススタイルをイメージしてしまうと 誤りです。(ヨーロッパスタイルではスカート状になり腰の位置に帯を締めてしまっています。)
・和服着物は基本的には シワもなく、平面的に体を見せます。理想は筒状です。
・最後に、素材合わせは難しいので、実際に試しながら覚えてい着ましょう。
以上が合わせ方になります 。
これは感覚なのでご自身で試してみましょう。
その為には、自宅に居る時に組み合わせを試す事が重要です。
ぜひ身に付けてください 。
ライン@のアカウント変更しました!(2021年2月13日)
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