今回はちょっと和服着物に慣れており、もっと知りたい方に向けてお伝えします。
仕立て屋さんが重視する要素を中心にお話出来ればと思います。
メンズファッションの醍醐味になりますが、
細かい部分にこだわりを持つと
新しいスタイルを創造するきっかけになります。
※仕立てのプロは和裁士(わさいし)さんなので、
正確には和裁士(わさいし)さんにお尋ね下さい。
ライン@のアカウント変更しました!(2021年2月13日)
1.不具合、見た目や着心地の悪い所
胸
・もたつく
袖下(そで下)
・長い
・バランス悪い
足の長さ
・短く見える
帯周り
・スッキリみえない
顔、体型とのバランス
・ちぐはぐにみえる
2.寸法での部分
長着(ながぎ⇒着物の事)
抱き幅(15.だきはば)
胸のもたつきに関係があります。
抱き幅指定は必ずしましょう。
お腹が出ていない場合はマイナス5分(約1.9cm)で良いでしょう。
袖丈(そでたけ)
通常身長170センチ前後なら1尺3寸(1しゃく3ずん→約49センチ)、身長170センチから180センチで1尺3寸5分(1しゃく3ずん5ぶ→約50センチ)です。
身長180センチ以上なら1尺4寸(1しゃく4すん→約53センチ)です。
個人的には身長170センチ以下であれば1尺2寸5分(1しゃく2すん5ぶ→約47.4cm)もありだと思います。
褄下(13.つました)
衿の先から裾までの長さですが、帯の右下に覗く衿先の長さに関係します。
こちらも標準的な割り出し方が難しいので、実寸で測って調べます。
衿先が帯の下に5センチから7センチ程度はみ出すようにするのが美しいです。
衽幅(おくみはば)
こちらも指定できるのですが、約4寸になるのが普通です。
衽幅と合褄幅(あいずまはば)を一致させることもできますし、合褄幅(あいずまはば)をマイナス5分にすることもできます。
内揚げの位置(14.うちあげの位置)
揚げ下がり(あげさがり)といいます。
肩山(かたやま)から内揚げまでの長さのことです。
一般的には身長× 0.4を揚げ下がりの位置とします。
内揚げは帯から覗いてしまうのはNGです。
帯結が前下がり後ろ上がり(帯結をした時、後ろは腰、前は下腹の位置になります)なので、後ろの揚げ下がりは通常、前より高くします。
帯を締めて適切な位置を確認してください。
衿幅(えりはば)
通常の衿幅は1寸5分(約5.7センチ)が標準寸法です。
多少の長さ調整できるので、もし首が太い方は衿幅を広めに仕立てると良いです。
対照的に、衿幅を広めると首筋が細く見えます。
逆に首が細い人は衿幅を狭めに仕立てると首の細さが目立たなくなります。
共衿{12.ともえり→地衿(下の衿)に掛ける掛け衿の事}
共衿(ともえり→地衿(下の衿)に掛ける掛け衿の事)の位置とは、共衿が地衿(じえり→共衿の下の衿)に縫い留めてある端の部分です。
上前(身体の前の重なりの内、外側の事)の共衿のライン(共衿の下端)は、通常、角帯を締めた時、帯の上端と剣先(けんさき→イラスト17番)のほぼ中間に位置すると最もバランスよく見えます。
羽織
羽織丈(A)
・好みにより長くも短くも出来ます。 一般的には 膝丈程度が適当です
関東では短め、関西では長めが好まれるようです。
ただし、長すぎると立ったり座ったりするときに邪魔です。
乳(ち)の位置(I.乳下がり)
・こちらも計算式で求めるのは難しく、
剣先と角帯の上端との丁度中間の位置か、それよりも好みで五分〜一寸程度下げるのが良いです。
これを基準にして、好みで加減していきます。
袴{馬乗り袴(うまのりばかま)}
前丈(6.まえたけ→前側の袴の長さ)
前紐(まえひも→イラスト11)の下から三のひだ(イラスト10)の下までの長さです。
ここが袴丈(はかまたけ)になります。
ここが一番大切で身長から計算で出すと、不具合が起こりやすく、試着実測してもらいましょう。
袴丈の正しい位置は、裾がくるぶしの真ん中に来る位置です。(足首が見えたり、足の甲が隠れてはいけません)
この適切な長さを、決める要素が
A.帯の締める位置
B.着付け方
です。
A.帯の締める位置
ご自身の帯位置が上下すると、袴丈も連動します。
ご自身で確認しておきましょう。
B.着付け方
一般的に、
・前紐(11まえひも→袴の前上部分)帯の上端を1センチ程見せる着付け方
が多く見受けられますが、
本来は
・帯より上に前紐(11まえひも→袴の前上部分)を当てる着付け
が正しいようです。
シーンに応じて、どちらにするか決めておかなくてはいけません。
3.ポイント
・オーダースーツと同じく細かく指定をしていきましょう
・これらの指定をできない場合はあまり満足いく結果にならないことが多いと思います
・部分的な寸法の指定により着心地見た目にかなり影響を及ぼします
以上、男の和服着物の着心地や着姿でした。
知りたい事はわかりましたか? イギリスモッズと同じく、部分へ熱狂的にこだわりを持ちましょう。
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