最近、存在感が薄れているのが『節分』です。
縁起の良い方角を向きながら巻き寿司を食べる恵方巻はイベントとして人気ですが、ぜひ、和服着物で豆まきもして欲しいです。
今回は、節分について考えてみたいと思います。
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1.儀式の意味
節分の歴史と意味
節分とは実は大晦日のことです。
節日とは立春、立夏、立秋、立冬の前日を指します。
特に厳しい冬を乗り越えた立春は大切にされてきた歴史があります。
中国の儀式で旧年の厄を清める「追儺(ついな)」という「鬼面をかぶった人を弓矢で追い払う」儀式があり、 奈良時代に日本に伝わり平安時代に行事として定着しました。
(学校法人瓜生山学園 京都芸術大学様より引用:https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/789)
この追儺(ついな)と豆打ち(春夏秋冬に行われた邪気払いの儀式)をMIXして今の節分の儀式(豆まき)ができたと言われています。
これらは江戸時代に庶民へ広まりました。
豆は大豆で五穀の一つです。
米に次いでよく神事に使われてきました。
また豆を、魔の目(まのめ)にぶつけ、魔が滅する(まがめっする)という語呂合わせも関係してると言う説もあります。
有名な所
箱根神社
(箱根町観光協会公式サイト箱根全山様より引用:https://www.hakone.or.jp/6078)
場所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
アクセス:JR・小田急線「小田原駅」からバスで約60分
鬼が水上スキーで逃げまわるという面白い豆まきをしています。ここは水上スキー発祥の地だからだそうです。
貴船神社(きふねじんじゃ)
場所:京都市左京区鞍馬貴船町180
アクセス:京都バス(33番)「貴船」下車、徒歩約5分
「豆まき」の発祥となったのが貴船神社だといわれています。
文化発祥の地として興味深いです。
この寺院はその他、夏の川床でも有名です。
関連記事 >>【男の和服着物の川床】貴船(きふね)最強!涼しさだけではなく・・
恵方巻きの歴史
大阪関西を中心に広がってきた文化です。
どうやら本来は丸かぶり寿司、太巻きなどと呼ばれていたようです。
毎年変わる幸福の方角(恵方)に向かって、太巻き寿司を願いを込めて食べきると叶うというものです。
古くは大阪花街での巻きずしを使った遊女との遊びをルーツにして、80年代後半の大手コンビニさんのキャッチコピー「恵方巻きき」で全国展開されていきます。
この方向は毎年変わります。
その年の幸福を司る歳徳神(としとくじん)のいる方向だそうです。
十干(じっかん→中国で考えられた万物思想から作られた要素)と十二支(じゅうにし→かなり古くから使われている単位)との組み合わせで決まると言われています。
補足
干支(えと)
=十干十二支(じっかんじゅうにし)の略
十干(じっかん)
甲{こう、きのえ(木の兄)}・乙{おつ、きのと(木の弟)}・丙{へい、ひのえ(火の兄)}・丁{てい、ひのと(火の弟)}・戊{ぼ、つちのえ(土の兄)}・己{き、つちのと(土の弟)}・庚{こう、かのえ(金の兄)}・辛{しん、かのと(金の弟)}・壬{じん、みずのえ(水の兄)}・癸{き、みずのと(水の弟)}
中国思想の一つで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ→世界は2種類と5つの要素で構成されるという考え)から導き出された要素です。陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)とは陰陽説(いんよう→世界は陰と陽の2つで構成される考え方。例えば、男と女、表と裏。この場合は兄と弟で分けている)と五行説(ごぎょうせつ→世界は木、火、土、金、水で構成される考え方)が混じり合った考え方です。
つまり、木、火、土、金、水の5つの要素×陰と陽の2種類(この場合は兄と弟)=10種類
十二支(じゅうにし)
子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)
の12種類。
かなり古くから使われている単位で、十干(じっかん)と組み合わせて時刻から方角まで表しています。
ちなみに、干支を「えと」と呼ぶのは、兄弟を「えと」と呼ぶ事からきているという説もあります。
通販で買える有名な恵方巻
・築地スペシャル海鮮恵方巻 冷蔵便
(Yahoo! JAPANショッピング 築地魚群様より引用:https://store.shopping.yahoo.co.jp/gyogun/376.html?sc_e=syia_algdtl_org)
お値段:約1万円台
1万円という信じられない高級恵方巻
・明石風太巻き寿司
(Rakuten 仕出し米長様より引用:https://item.rakuten.co.jp/yonechou/akashi-m/)
お値段:約2千円
明石の三大名物である鯛・蛸・焼き穴子がはいっており、素材の味が十分引き出され醤油なしでもいけるそうです。
・橘家の「穴子の恵方巻き」
(Rakuten 橘家様より引用:https://item.rakuten.co.jp/w-tatibanaya/maki-setubunn/)
お値段:約1千円
楽天さんではかなり人気商品になった恵方巻きです。お寿司屋さんが作る本格太巻きです。
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2.楽しみ方と服装
準備
豆まき
鬼のお面
豆の準備
恵方巻き
恵方調べる
当日
正しい豆まき
炒り豆を使う(芽が出ると縁起が悪いから)
夜やる(鬼は夜にやってくるから)
その家の主人か厄年の人、年男がまく。
鬼は誰かやる
ドアや窓を開けて(外へ逃がす為)
「鬼は外!」と叫ぶ
ドアを閉めて「福は内!」(外から鬼が入らないように)
奥の部屋から必ず玄関までまく。
まき終わったら、その豆を数え年分食べる。(年数+1個)
※注意
顔にあてたない。
強く当てない。
最後に恵方を食べておしまい。
一連の節分を動画にとって、残しておきましょう。
お子様も喜びます。
服装
節分も着物で行うとより楽しいです。
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羽織(はおり→和装ジャケット)
御召(おめし→光沢のあるドレッシーな生地)
グレー
着物
御召(おめし→光沢のあるドレッシーな生地)
グレー
帯
角帯(かくおび→一般的な長方形の帯)
博多献上(はかたけんじょう→男の定番帯)
銀鼠(ぎんねず→シルバーグレー)
羽織紐(はおりひも→羽織の前面につく紐)
丸組(まるぐみ→円柱状に組んだ組紐)
グレー
足袋(たび→和装靴下)
白
袴
ダーク系
鬼の服装
イメージは山賊のような感じ
お面
鬼
着物
紬(つむぎ→手で紡いだ糸で作るカジュアル生地)
グレー
帯
太い縄
足袋(たび→和装靴下)
白
袴
小倉袴(こくらばかま→木綿で出来たグレー縞の袴)
グレー
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3.ポイント
・ 豆まきは中国の追儺(ついな)という魔除けと豆打ちの文化が合わさって出来たもの
・ 恵方巻きは関西の花街遊びでの巻きずし由来で、大手コンビニさんのキャッチコピーが加わったもの
・ 正しい豆まきは炒り豆を使い、夜厄年の人がまく。「鬼は外」、「福は内」をそれぞれ2段階に分け、「鬼は外」の時には玄関までまく。鬼を追い出した後、ドアを閉め奥の部屋から「福は内」を叫び豆をまく
・恵方巻きは願いを込め食べきる
以上、男の和服着物の節分でした。
最近は、節分が恵方巻きの行事になりつつありますが、豆まきももっと盛り上がって欲しいと思います。
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