和服着物を着た時の着装感や、美的感覚と言うのは洋服のそれとはまた違った物です。
これは立体服と平面服の違いという要素もあるのですが、「日本の感覚」とも言うべき物が大きいと思います。
今日は和服着物を着るにあたって、この美的感覚を掴んでいこうと思います。
一緒に見ていきましょう。
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要点だけであれば、3ポイントをご覧下さい
1、 他の民族服の美的感覚
中国
代表的な服
・パオ
・カンフースーツ
代表的な特徴部分
・紐ボタン
・スタンドカラー
・スリット(脇切れ込み)
美的感覚
直線的で、角ばった男らしい感覚
立体服と平面服の美的感覚を持つ
洋服
StockSnap / Pixabay
代表的な服
・背広(スーツ)
・シャツ
・パンツ
代表的な特徴部分
・立体裁断
・ボタン
・ジッパー
・上下2部式
美的感覚
シルエットを構築する。
体のラインを見せる(本来の洋服は体のラインを隠す)
肩のラインを強調するスーツスタイル(英国スタイル)
立体的曲線に美しさを見出す
アフリカ・インド
代表的な服
・ドウティ(インド)
・ケンテ(ガーナ)
代表的な特徴部分
・縦約120cm×横約420cmの白い木綿(ドウティ)
・下半身に身につける形態で、巻きつけた布を股に通してパンツ風にする(ドウティ)
・縦約300cm×横約240cmの手織り木綿{ケンテ。4種類の細布(約300cm×約10cm)を24枚つなぎ合わせたもの}
・全身に布を巻き付ける着用法
美的感覚
布を巻きつける
着付け(の加減)でシルエットを作り出す
ドレープを重視する
文様などにこだわる(事が多い)
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2、 日本の感覚・美的感覚
今度は日本の和服着物を考えていきます。
平面服の感覚はこんな感じです。
平安時代の「和様化」の中で、日本人の好みが反映されています。
シルエット
・立体を平面で包みこむ
風呂敷・手拭い文化、着物等。
・シルエットは逆三角形を目指す(袴は別、袴姿は二等辺三角形)
着物姿で、上はゆったり、下はタイトになる。
・ドレープを嫌う( ウエストを絞ったり、シワを嫌う)
帯の結び方。決してウエストで絞るスタイルを採用しなかった。
・本来、袖丈(そでたけ→袖の下の長さ)は短め、礼装化すると長くなる。
中国の影響もあり、社会的に認められる服は皆、袂(たもと→袖の下)が出来る。
・丸みを好む (角が取れた状態)
袖の丸み。
中国服が比較的角ばった男らしい風合いなのに対し、
日本は服を輸入した後、角を取る癖がある。
例
着物を着用時の姿、着物の細部、
柄
・長方形の形を基準に考える( 正方形ではなく、バランスの取れた長方形)
正方形を避ける傾向がある。
独特のバランス感覚があり、正三角形なども避けがち。
長方形で構成された正方形はOK。
・円・丸・六角形・八角形などはよく使う。
小紋柄としてもよく見る。
・簡略化(シンプル化)を得意とする。
植物、動物などを文様にする際、アウトラインと特徴だけを抜き取る技法。
または、立体(3次元)のものを平面(2次元)の文様に落とし込むのが得意。
例
江戸小紋(えどこもん→極小柄の着物)、女性の着物伝統柄、格子柄、縦縞、着物の反物(たんもの→巻き物)
色
・原色や、ヴィヴィッドカラーを避ける
これも中国からの色に加工をして利用する。
具体的には、ライトグレーを足した色合いで、渋みを好む。
・侘び寂び(わびさび→一言でいうと質素で静かな感じ)と傾奇者(かぶきもの→奇をてらった服装を好む集団)的な色使いが共存する
例
日本の染色、着物、振り袖友禅(ゆうぜん→染め技法の一つ。きらびやかな色が特徴)
素材感
・シボ(素材の凸凹)がある素材を好む
サテン地(朱子織り→しゅすおり。つやつやの織り方)など派手に思われる織り方を避け、
わざとシボを作り出し、光り方を抑えたマットな風合いを求めている。
・絹をメイン生地に採用した
他の民族服はウールか木綿のどちらか採用に対して、(着用できる人口が少ないにせよ)基本が絹である。
これにより、着物はシワが少なく優しい光沢ありきで発展した。
例
縮緬(ちりめん→一面に細かな凹凸を出した絹織物)、紬(つむぎ→手で紡いだ糸で作るカジュアル生地)、御召(おめし→光沢のあるドレッシーな生地)
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3、ポイント
・和服着物には洋服にはない感覚的要素がある
・他民族の美的感覚とも違う
・日本の感覚は丸みを好み、ある種アンバランスな要素を持つ
・立体を平面で包む、シルエットは逆三角形にする、ドレープを嫌う、
袖下は礼装化すると長くなる、丸みを好む、長方形の形を基準に考える、
円・丸・六角形・八角形などはよく使う、原色や、
ヴィヴィッドカラーを避ける、シボ(素材の凸凹)がある素材を好む
以上、男の和服着物の美的感覚でした。
和服着物はアジアが生んだ民族服です。
この服にはこの美的感覚を散りばめていますから、着装の仕上がりに柔らかさを持たせています。
ただグローバル化の結果、 この仕上がりにそれぞれの国のエッセンスが入っていっても不思議ではありませんね。
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文化bunka◉着物モッズ【独創的な男の和服着物の研究家】